更新日:2024年12月27日 17:23
ライフ

身長180センチのウクライナ人女性が伝えたい、日本人の“外国人”に対する誤解

“ソビエト世代”の両親は「厳しかった」

ネトーチカ(アニャ)さん

モデルの仕事を母に打ち明けたところ、ショックを受けていたようだ

――避難先の日本で「#デカ女」の波に乗りネット有名人になるって、なかなか数奇な半生だと思うんですが、ウクライナでもモデル活動は全くの未経験ですか? ネトーチカ:高校の頃から24歳で来日するまで、けっこうモデルのスカウトもあったんですけど、両親が厳しかったので実際に挑戦したことはなかったです。両親は“ソビエト世代”なので、「モデルなんて結局は人身売買だ!」「いかがわしい西側の資本主義に娘が毒される!」という考え方なんです。 ――え、じゃあ日本でのコスプレやモデル活動はご家族に明かしていないんですか? ネトーチカ:母には言いました。やっぱりショック受けていましたが、両親がいるオデッサはとても遠いのでどうしようもないし、なんとなくいまは認めてもらっているという感じです。今は亡くなった父はジャーナリストということもあって倫理的に非常に真面目で厳しい人でした。母もちょっと暴力的というか……気が強くて厳しい人です。 ――暴力的!? 個性的な家族ですね……。 ネトーチカ:姉もわりと母に近いタイプで、ウクライナの実家に私の居場所はなかったです。父は部屋にこもって考え事をしているようなタイプでしたから、私は父の内向的なところを引き継いでいるのではないかと。

ウクライナに「友達は一人しかいなかった」

――ネトーチカさんってウクライナではどんな“キャラ”だったんですか? ネトーチカ:ウクライナでは相当鬱っぽいキャラで、なんなら友達は一人しかいなかったです。周りからは完全に鬱だと思われていました。知り合いにも「ネトーチカ、お前は鬱なのか?」とよく言われていました。ウクライナ人ってみんなパーティーとかするんですけど、私は全然そういう場に行かないから。 ――それがネトーチカさんの持って生まれた気質なんですね。 ネトーチカ:ウクライナで猫を飼っていたんですが、飼い主の私の性格に似て鬱っぽかったです。5階から飛び降りようとしたことが何回かありました。死にきれずトボトボとした足取りで私のもとへ無事に帰って来てくれましたが。 ――もう一体なんの話を聞かされているのやら(笑)。
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会社でのランチは「弁当をこっそり食べている」
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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