仕事

「最近の若いヤツは…」イヤミばかりの上司に復讐した新入社員。“録音した音声”を他の社員の前で流したら…

ボイスレコーダーでFさんの言動を録音

 そこで玲奈さんは、スマホのボイスレコーダーでFさんの言動を録音。録音データにわかりやすくタイトルを付け、そっとそのときを待ったのだ。そしてある日、教育の様子を見にきた先輩社員たちの前で、Fさんが「そんな無駄なことやるなと言っただろ」と指摘。 「さらには、『どうして、パソコンを使って効率的に仕事をしないんだ?』と偉そうに言ってきたのです。チャンスだと思いました。すぐに、『では、その理由を説明します』と言って、ボイスレコーダーを再生したのです」  そのボイスレコーダーからは、「パソコンや機械に頼るな」などと発言しているFさんの声が流れはじめた。それを聞いた先輩社員たちの視線は、Fさんへ一気に集中。ヤバイと思ったのか、急にボケたフリをしはじめたという。

責任を追及されてFさんも謝罪

職場Fさんは、『最近、記憶が怪しくて…』『こんなこと言ったかな、俺』などと言い訳しはじめました。でも先輩社員は、『今後のことについて、少しよろしいですか?』と厳しい口調でFさんに言うと、『気づくのが遅れて、申し訳ない』と私に謝罪してくれたのです」  そのとき、「現役時代の営業成績はズバ抜けていたFさんだが、自分の機嫌やストレスからパワハラ・セクハラなど問題行動が多数。社長の親戚ということでクビにはできず、管理職へ昇格という名目で余計なことをしないよう監視下に置かれていた」ということも発覚。 「再雇用後のFさんが新人教育を任されていると知って心配した先輩社員が、ほかの社員から様子を聞き取り、現場を見に来てくれたのです。先輩社員から怒られ、意地悪したことや責任逃れのためにボケているフリをしたことについてFさんから謝罪もありました」  ただ、しばらくはコミュニケーションに関する教育プログラムを受けながら事務仕事のみに集中することになったというFさん。玲奈さんも「まだ、許してはいない」と話す。自分のしたことに苦しまないよう、機嫌やストレスの蓄積を誰かにぶつけるのは控えたいものだ。 <TEXT/夏川夏実>
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Xアカウント:@natukawanatumi5
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