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定年後に“引きこもり”になると認知症リスク大!?高齢者に必要な「脳を老けさせないための習慣」

「幸せホルモン」セロトニンは年齢とともに分泌量が減る

カーテンを開ける男性 なぜなら、セロトニンは年齢を重ねると分泌量が減ってしまうからだ。 実は、減るのはセロトニンだけではない。眠りを促す神経物質である「メラトニン」も年齢を重ねると分泌量が減ってしまうのだという。 「残念なことにセロトニンは加齢によって分泌量が減っていきます。同時にメラトニンも減ってしまうので、ベッドに入ってもなかなか眠れない、目は早く覚めるけれどシャッキリしないという日が増えていきます。  起床後にカーテンを開けるだけでも太陽の光を浴びることはできますが、光を浴びる時間が多ければ多いほど、セロトニンの分泌量が増えることがわかっています。積極的に散歩に出かけることで、太陽光を浴びる時間を増やしてみてはどうでしょうか?」

いつもと違う道を歩くだけでも違う!「予期せぬ出会い」によって脳を活性化

階段 また、川島氏によると、脳の活性化には、「予期せぬ出会い」も効果的だという。 「脳は新しい経験や知識を入れると刺激されます。見たことのない景色や思いがけない人やモノと遭遇し、うれしい驚きや喜びがあると脳機能が向上するのです。 よく知っている生活圏内でも、1本違う路地に入ってみるとそこは新しい世界です。  いつもは電車に乗ってしまう区間を歩いてみるだけでも、『こっちでいいのかな?』『こんな家があるのか』と未知との遭遇の連続です。朝の散歩は脳にとっての思いがけない幸運(セレンディピティ)をもたらしてくれるかもしれません」  ほかにも、普段は行かないスーパーに足を運んでみる。コーヒーショップ巡りをしてみる。時間に少し余裕があれば、新しい趣味に挑戦する、といった方法もおすすめだ。 些細な変化を積み重ねることで、脳の活性化をより促すことができる。 始まりは、まず一歩外へ踏み出すことだ!
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脳の若返りには、常に「目標を立てること」が大事
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1959年千葉県生まれ。医学博士。東北大学医学部卒業、同大学院医学研究科修了。スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員、東北大学加齢医学研究所助手、講師、所長を経て、現在は同研究所の教授を務める。脳活動のしくみを研究する「脳機能イメージング」のパイオニアであり、脳機能研究の第一人者。ニンテンドーDS用ゲームソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」シリーズを監修。『川島隆太教授の脳活計算120日』(Gakken)、『本を読むだけで脳は若返る』(PHP研究所)、『脳科学研究がつきとめた「頭のよい子」を育てるすごい習慣』(プレジデント社)、『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(サンマーク出版)など、著書、監修書多数。認知症高齢者や健常者の認知機能を向上させるシステムの開発や、「脳を鍛える」をコンセプトとする産学連携活動に尽力している。2024年より宮城県蔵王町観光大使に就任。
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