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Amazonで「ふるさと納税」が可能に。「楽天、さとふると比べて…」“既存のふるさと納税サイト”と何が違うのか、徹底解説

ふるさと納税もAmazonの得意なビジネスモデルに落とし込む

ふるさと納税このAmazonふるさと納税のシンプルな購入体験、そして出品設計はAmazonがもっとも売上を伸ばすうえで得意とするビジネスモデルだ。 Amazonふるさと品揃えが増える→顧客体験があがる→ユーザーが増える→さらにAmazonふるさと納税の出品者が増える→品揃え充実するーーといったような好循環がAmazonふるさと納税においても起きるのだ。 今後は、Amazonでふるさと納税に限らず売れているヒット商品がふるさと納税の返礼品に参入することでさらにヒット商品になっていくだろう。 だが、ここまで説明したAmazonふるさと納税の未来はまだまだ未完成というのが現状だ。 現在、Amazonふるさと納税の返礼品をAmazonのサイト内で購入する場合、2つの方法がある。1つはAmazonふるさと納税から買うパターン。そして2つ目はAmazonの商品ページから購入方法として「Amazonふるさと納税の返礼品として購入」を選んで購入するパターンだが、現状において後者のデザインはまだわかりにくい。 だが、今後Amazonフレッシュの商品を買う際と同じように、Amazonの商品購入ページと縦に並ぶ形で「Amazonふるさと納税の返礼品として購入」が表示されるデザインに改良されることは時間の問題だろう(おそらく、ふるさと納税返礼品注文のニーズが高い2024年末にはデザイン実装が間に合わなかったためと考えられる)。

Amazonふるさと納税のヒット商品は何になるか?

最後にAmazonふるさと納税でヒットする返礼品とはどのようなものか言及する。それはAmazonで1位を取れる商品、あるいはAmazonの商品検索結果で上位に位置する商品だ。 そんなの当たり前だろうと思うかもしれない。だが、これは従来のふるさと納税の返礼品では“普通”ではなかった。 これまでほかのふるさと納税専用サイトでは、地元の名産品を包み隠さず出品している返礼品が少なくなかった。だが、これらは、普通にECサイトで買ったら売れる商品であるとは限らなかったはずだ。それがAmazonふるさと納税の場合、純粋にAmazonで売れる商品である必要があるのだ。 自治体がAmazonで売れる商品を作れるようになれば、大きな税収がもたらされる可能性が高い。ふるさと納税に突如現れたAmazonという黒船だが、敵にするも味方にするのも、各自治体しだい。Amazonの生態系をどれだけ攻略しているかにかかっていると言えるだろう。 <TEXT/田中謙伍>
EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している
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