更新日:2025年03月03日 14:41
エンタメ

「体重は32kgなのに、食費は月100万円超え」YouTube“大食い動画”がきっかけで過食症になった元モデルの告白

ガリガリの体なのに食費は月100万円超え

[#ドカ食い気絶部]の危険な実態

食費が月100万円を超えていた頃は、ジャンクフードを中心に吐きやすいメニューをデリバリーで注文

 見た目に引きずられるように私生活もすさんでいく。 「当時の食費は月100万円を超えていて、お金を工面するために知人や夜のお店のお客にまで借りまくっていた。さすがにヤバいと思った身内に、都心から郊外へ引っ越しをさせられて。ほどなくして常用の睡眠薬が切れたので町医者に行ったら、私の体形に驚かれて紹介状を渡され、そのまま摂食障害の専門病院に行って即入院となりました」  約4か月の入院生活。食事管理や行動制限のもと、治療の過程で自分と向き合った。 「閉鎖病棟でガリガリのおばあちゃんを見て、本気で治さなきゃと怖くなった。退院してから4年たっても今でもストレスがかかると過食に走りそうになり、年一ペースで入院しています。ただ最近は結婚したので、精神的には安定しています」

大食い動画を真似する代償はあまりに大きい

[#ドカ食い気絶部]の危険な実態

ゴミが散乱して汚部屋化していた

 そう笑う彼女は幸せそうに見えるが、現在も過食嘔吐の後遺症に苦しんでいる。 「胃液で歯が溶けてボロボロになってしまったので、歯はすべてインプラント。また腎臓がおかしくなっていてカリウムの数値が下がっているので、トイレが遠くてむくみやすい。体形は健康的に戻っても、目に見えない臓器のダメージは戻らないと言われました。それは諦めて一生付き合っていくしかないですね」  だからこそ、「ドカ食い気絶部」に思うことがある。 「SNSのモッパン動画(食事シーンの動画)やハッシュタグなどを使い、『大食いなのにやせている』的なことを発信して、承認欲求を満たすのは簡単。だけど、それを繰り返しているとやめられなくなって、依存症になり得る行為だと自覚してほしい。私は何も考えずに大食い動画に手を出したことで、貴重な20代の一部を失ってしまった」  体重のように人生の時間は元に戻らない。 【関 あいかさん】 1996年生まれ。中学時代からモデルとして活動。半生を綴った自叙伝『摂食障害モデル』(彩図社)が注目を集める。現在はインフルエンサーとして活躍中 取材・文/週刊SPA!編集部
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