橋本環奈『おむすび』で封印されてしまった“ルックスだけじゃない”魅力「普通の女の子役」では物足りない
ルッキズムの観点からは適切ではないことは十分理解したうえでだが、橋本環奈の最大の武器、それはその「ルックス」だと思う。
橋本環奈、ハシカンにはものすごく華がある。それは多くの人に異論はないだろう。
そもそもが、地方のグループアイドルのメンバーとして活動していたなかで撮られたいわゆる「奇跡の1枚」と呼ばれる1枚のライブ写真がきっかけとなり「1000年に1人の逸材」として大きな注目を集めたことからも、その突出具合は明らかだ。
2015年3月公開の映画『暗殺教室』で橋本が演じたのは「自立思考固定砲台(律)」という、人工知能搭載の新型兵器というバーチャルな存在。女優としてまだ未知数でありながら存在感を放つ彼女にとってぴったりな活かし方だったように思う。
多くの人に「女優・橋本環奈」の存在感を示したのがアイドルグループ卒業後の17年7月に公開された映画『銀魂』での神楽役だろう。
ところどころに挟まれるキレ顔や変顔は、本来の顔立ちからのギャップが見事に活かされたもので、コメディエンヌとしての魅力が大きく開花した作品だ。
そして、その後も映画『斉木楠雄のΨ難』やテレビドラマ『今日から俺は!!』と、『銀魂』の監督でもあった福田雄一監督作品に次々出演、福田作品との相性のよさもあいまって、名コメディエンヌとしての実力や実績を着々と積み重ねていった。
そんななかでの現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』である。連日メディアやSNS上では作品への不評が絶えないことを知っている人は少なくないだろう。
ヒロインである橋本の役どころも批判されることが多く、ときにはそれが演技にまでおよぶ風当たりの強さを連日感じている。
『おむすび』は、「平成元年生まれのヒロインが、栄養士として、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”」(番組公式サイトより)だが、時折コメディタッチな演出も盛り込まれ、コメディエンヌ・橋本環奈の魅力がおおいに発揮できると期待する向きも大きかった。
しかしこの現時点での不評ぶり。橋本も、時には妄想しながらニヤけてみたりするなど「顔芸」を披露したりするが、どうにもこれまでの魅力が発揮できていないままここまできているようにしか見えない。
なぜなのか。
もちろん『おむすび』は福田雄一作品ではなく、それらの作品における橋本環奈を期待するのは間違っている。
しかし、『おむすび』の脚本を担当する根本ノンジ氏は、あるインタビューで「コメディエンヌぶりも素晴らしいと思います」「コメディの感覚に優れた女優さんだと思います」と、コメディエンヌ・橋本環奈を絶賛していることからも、本来の狙いはそこにあったと思う。
コメディエンヌとして才能を開花させた橋本環奈
『おむすび』での橋本環奈はなぜ不評なのか
1
2
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆。
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
橋本環奈『おむすび』で封印されてしまった“ルックスだけじゃない”魅力「普通の女の子役」では物足りない
『おむすび』が朝ドラ“史上最低視聴率”を更新しそうなワケ…どの世代にも支持されない理由
低視聴率で苦しむ『おむすび』だが、見どころは“本来の姿”を取り戻した橋本環奈にアリ
『虎に翼』で話題の土居志央梨、素顔は“よね”とは正反対「笑い上戸で、性格も楽観的です」
『虎に翼』が最後まで熱狂を生んだ理由。朝ドラの常識を覆す“メッセージ性”の強さ
この記者は、他にもこんな記事を書いています