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「お前とったやろ!」本屋でヌード写真集を購入した80代“迷惑老人客”が言い放った「まさかのクレーム内容」

他の商品を持ってきて説明するも…

 前原さんは、ここでようやく理解した。そのヌード写真集の表紙には、裸の女性のへそあたりまでが写っているのだが、構図が少々独特で、最上部が顔の鼻下から始まっている。  その鼻より上を、スタッフの前原さんがシュリンクを剥く際に一緒に剥ぎ取ったと主張していたのだ。つまり、「取って、盗った」ということだ。もう、マジシャンの域である。 「私はそのおじいさんに納得してもらうため、破いてエプロンのポケットに入れていたシュリンクを全部出して見せました。それでも納得しなかったので店頭に残っていた同じ商品を持ってきて、はじめからこういうデザインなのだということを説明しましたが、まったく理解してもらえません」

何度説明しても納得してもらえず…

 その後も同じことを説明しても、結局納得してもらえることはなく、おじいさんは去っていったようだ。 「必死で説明しましたが、結局途中で疲れたのか、商品を持って何やらぶつぶつ言いながらレジから離れていきました。いろんな意味で元気なおじいさんだなとは思いましたが、訳のわからないクレームをつけてきて時間を取られてしまうのは本当に勘弁してほしいです」  店員とは、お客様がたとえ言葉足らずであっても、想像力を働かせてその要望を汲み取り、ときには先回りして応えるものである。とはいえ「お客さんの意図するところが、想像の斜め上どころの話じゃなかったのは、このときだけだったかもしれませんね」と前原さんは話した。 取材・文/川瀬章太
フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中
X(旧Twitter):@kawase_syota
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