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インフレは靴にも直撃。「今買っておかないと手が届かなくなる靴」4選

ミズノ「ウェーブエボークGTX」

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ミズノ「ウェーブエボークGTX」。1万6500円。写真は販売サイト「ヤフーショッピング」より

とにかく足幅が広い、小指が当たって痛いとお悩みの方には安定の国産ブランド、ミズノがおすすめ。歩行時に指が開くことも考慮した、つまさき広めの3E設計。どこから見てもミズノとは思えないほどスマートな外見ですが、ソールには衝撃を吸収~推進力に変えるミズノウェーブを搭載。 スポーツメーカーならではの膨大な足の動きのデータを総動員してつくられたモデルです。ゴアテックス仕様でハイテク技術も満載で1万6500円は破格。サロモンがアウトドア寄りの設計に対し、ミズノはタウン向けに設計されています。濡れた地面へのグリップ力が通常のスニーカーの3割増しと、悪天候のことを徹底的に考えつくしています。足首~ベロ周りはソックス状で、急いでいるときでもループに指をひっかけてズボっと履けるのも嬉しい。紐は「穴」ではなく「ループ」に通っているので、サポーターで包まれているようなホールド感があります。 サロモンもミズノも、未舗装道路でもガンガン歩ける設計です。防災対策としても、1足あると必ず重宝するはず。

「あの時買っておけば…」後悔する前に手に入れたい本格革靴

スニーカーに比べて数倍以上のパーツ数と工程数がかかる本格革靴。メンテナンス・修理をしながら、長年寄り添ってくれるのが「グッドイヤーウェルテッド製法」という150年以上前から続いているつくりかたです。欧米が本場でしたが、今では日本以外ではつくる工場も職人も激減。最大の理由のひとつはまちがいなくコストです。片足50を超えるパーツひとつひとつが値上がりしているので、掛け算になると、とんでもない額になります。よって世界的には崖っぷちの絶滅危惧種になりつつありますが、日本にはまだ職人がいるのが救いです。伝統とハイテクを掛け合わせたおすすめがこちら。

スコッチグレイン「シャインオアレインⅣ」

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スコッチグレイン「シャインオアレインⅣ」。3万9600円。写真は公式HPより

半世紀近くにわたって一貫してグッドイヤー一本で勝負してきた国産ブランドの雄がヒロカワ製靴のスコッチグレイン。なかでも一番人気は名前の通り晴れでも雨でもどんとこい!の「シャインオアレイン」シリーズの「シャインオアレインⅣ」、3万9600円。 なめしの段階で撥水加工された子牛の革を使うことで極めてきめ細かい、素人が見ても極上の見た目。なのに雨ははじくという、伝統とハイテクをミックスしたアッパーが特徴です。革も本当に高いんです今……。革靴離れ+職人不足+継承者不足と、プラスの要素がひとつもないのが本格革靴業界の現状です。 しかし、「それはそれ!」と振り切っているのがこのブランドです。「匠ジャパン」という専門のリペア会社まで立ち上げ、その技術の高さ・アフターケアの盤石体制は世界一といっても過言ではありません。スコッチグレイン自体が、当たり前に「直されるもの」を前提に設計されているので、直しやすい。 具体的には、ボトムフィラーと呼ばれる充填剤に、通常は練りコルクを使うのですが、スコッチグレインは穴の開いた特殊スポンジを一貫して採用しています。理由はシンプルで、練りコルクは数年でボロボロに劣化するから。こういう柔軟な発想でクラシック靴の世界でも生き残っているブランドですが、革靴淘汰の時代にいつまでも良心的価格で手に入る保証はありません。あの時買っておけばと後悔する前に、ぜひ実物を試してみてください。
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名作エアフォースワンもついに2万円時代へ?
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イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』

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