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インフレは靴にも直撃。「今買っておかないと手が届かなくなる靴」4選

名作エアフォースワンもついに2万円時代へ?

 
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ナイキ「エア フォース 1 ’07 フライイーズ」。1万6500円。写真は公式HPより

ナイキの名作・エアフォースワンのホワイト。筆者と同じくらいのアラフィフ世代なら、一度は履いたことがある方も多いでしょう。人気はますます加速してして、去年・おととしと「世界で一番売れたスニーカー」としてファッション誌では報道しています。シンプルでボリュームのある存在なので、筆者もワンマイルシューズとして去年買いました。意外と存在が知られていない、手を使わずに履けるフライイーズというタイプです。 外見からはわからないギミックですが、カカトの芯が踏みつぶせる→履くと同時に立ち上がるシステムなので、足元を見ずにノールックで脱ぎ履きが可能。甲の低い筆者は紐を限界まで縛り上げてますが、履くのは1秒。これがもう想像の二回り以上はラクで、最近はどこに行くにも本当にこればかり。 適当な服でもなんとなくサマになる逸品 しかし! お値段が1万6500円。ノーマルのエアフォースワンも1万6500円です。数年前まで実勢価格が9000円~1万1000円あたりで推移していたのが、もれなく原価高騰・輸送費・円安のトリプルアタックでガツンと値上がりしました。現在でも値上がりし続けています。ナイキも過熱しすぎたスニーカーブームの沈静化を見るや、回帰路線のシリーズは今後絞っていくようです。となると在庫が減るか、さらなる値上がりはまちがいありません。個人的な読みですが、このペースだと数年後にはエアフォースワンをはじめとするナイキのバッシュはのきなみ2万円を超えてくると考えています。 この靴、履き始めの1週間はかたいです。履き慣れると意外に歩きやすく、適当な服でもなんとなくサマになってしまう変な力があります。デザイナーの重鎮・菊池武夫氏もインタビューで「100足以上のスニーカーを試しましたが、90年代以降はこればかり」とオールホワイトのエアフォースワンを絶賛していました。実は私もこの発言の影響を受けて買ったのですが(笑)。 しかしこれ以上の値上がりは厳しい! 取り扱いショップもどんどん減っているので、シンプルで履きやすいおしゃれ履きをさがしているならギリギリの価格ですがおすすめできます。 大人になると、自然と人生の残り時間を考えるようになるもの。歩けるうちに、人生であと何足の靴が履けるだろうかと考えると、意外とその少なさに驚きます。とはいえ価格も品質のうち。高嶺の花にならないうちに、後悔のない「いつまでも相棒」の1足を手に入れましょう。<文/シューフィッター佐藤靖青>
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』
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