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“大量閉店”ドミノ・ピザ、2年前に「2000店舗を目指す」目標が一転…予想外だった“ピザ市場”の縮小スピード

セブンイレブンがまさかの殴り込み

 強力な競合も誕生しました。  コンビニ大手のセブンイレブンが、焼きたてのピザを最短20分で配達するというサービスを開始。2024年8月に対応店を200店舗に広げる計画を発表しました。7月時点で東京都や神奈川県など首都圏約30店舗で導入、好評を得ていました。マルゲリータのピザは780円で、配送料は110~550円。コストパフォーマンスの高いサービスが広がり始めています。  セブンイレブンのピザが成功すれば、強力かつ広大な配達ネットワークが構築されることになります。商品開発力もあるため、このサービスがヒットすればメニューの拡充にも期待ができるでしょう。サービスの核となる「7NOW」はセブンイレブンの商品が注文できるため、豊富なサイドメニュー、ドリンクも選択することができます。  ドミノ・ピザが大量閉店する大部分は直営店であると報じられています。市況の悪化や競合サービスの台頭によって不採算店が目立つようになったのでしょう。

弁当の販売で“日常食化”を狙う

 ただし、ドミノ・ピザも反転攻勢に出ています。ピザを溶け込ませようとしているのです。  2025年1月、有明ガーデン内にオープンした新たなフードエリア「ARIAKE FOOD STAGE」に新店舗を出店しました。ドミノ・ピザ初のフードコート店です。イートインとテイクアウトだけの業態であり、デリバリーは行っていません。  この店舗の看板商品といえるのが「ピザBENTO(ベントウ)」。直径15センチメートルのピザに、フライドポテトがセットになったもの。このセットは500円台から購入することができます。実はこの商品、「マイドミノ」としてこれまでも販売していました。認知度が低かったために2024年7月にリブランド。日本人に親しみのある弁当へと名前を変えました。このネーミングに、ピザを日常食にしたいというマーケティングの狙いがよく表れています。  ドミノ・ピザは商品開発において、宅配に適しているかどうかを先行して考案しています。しかし、フードコートへの出店強化や日常食化を狙うのであれば、開発姿勢が変わることも十分ありえるでしょう。そうなれば、ドミノ・ピザの商品展開も変化するはず。  大規模な閉店を行って収益性を高めた後は、今とは別の形で出店を強化するかもしれません。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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