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競輪場の“ヤジ”が大幅に減った「意外な理由」。選手に「どのくらい聞こえるか」を聞いてみた

元気に野次を飛ばしていた人も今ではオーバー60

競輪 こうした流れは他の公営競技でも同じことが起きているようだ。競馬雑誌編集者も同じ意見だ。 「野次がキツかったのって、00年代半ばくらいまでだと思うんです。当時の公営競技のメイン客層って40〜50代で、その人たちは今、60〜70代ですからね。もう、元気に野次を飛ばす年齢じゃないんです。今の若いコたちは平たく言えばおとなしいんですよ。SNSで常に他人の評価や炎上リスクを気にする世代ですから、そりゃ、公衆の面前で口汚く野次なんて飛ばすことはしなくなります」

SNSが野次を淘汰したのか

 また、公営競技だけではなく、プロスポーツの現場でも野次は淘汰されつつあるようだ。スポーツ紙でプロ野球やサッカー・Jリーグの取材経験がある記者は、独自の分析をする。 「阪神ファンの野次がすごいとか、よく言われますけど、昔と比べると最近はおとなしいもんです。Jリーグなんて、応援したチームが負けてブーイングするとSNSで叩かれますからね。特にJリーグはちょっとお行儀が悪いとすぐに炎上します。中指立ててるヤツがいた、選手を口汚く罵ったとか、丁寧に動画まで撮ってSNSで晒されることも珍しくない。熱くなって迂闊なことをすると、SNSで総スカン。野次が淘汰されたのはマナーが向上したというのもあるけど、他人の目を気にしすぎるようになったってのもあると思うんだよなぁ」
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「野次がない世界」に対する選手の声
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グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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