人気競馬予想家が有馬記念で注目する意外な馬
競馬界の1年を締めくくるビッグレース、G1有馬記念。普段は競馬をやらない方でもこの日だけは……と馬券を買う人も多いはずだ。
そんな有馬記念で今年、最も注目されているのは歌手の北島三郎氏の馬、キタサンブラックだ。圧倒的な強さで競馬界を盛り上げたキタサンブラックはこの有馬記念で引退。有終の美を飾るかに日本中から注目が集まっている。『回収率を上げる競馬脳の作り方』の著者でもある競馬予想家のTARO氏に今年の有馬記念の傾向と注目馬を聞いた。
TARO氏は有馬記念における最も重要な要素として、枠順をあげる。
「有馬記念は特に枠順が重要なレースになります。データからも有利不利がハッキリしており、基本的に内枠がいい。その上で今年の3強馬の見解を私なりに解説したいと思います」
まずは誰もが注目するキタサンブラック。そして対抗馬であるシュヴァルグランとスワーヴリチャードについて聞いた。
「キタサンブラックは最高の枠順を引けましたね。同じ逃げ先行型のカレンミロティックが8枠を引いたことで、スタートさえ決めればすんなり先行できるでしょう。運も実力のうちとは言いますが、まさにキタサンブラックは最後まで運を持った馬。枠順決定を受けて好走の確率は高まったと言えるでしょう。あとは連戦の疲労と中山競馬場の急な坂がカギになります。対抗馬であるシュヴァルグランはやや外寄りの10枠。前走で運を使い果たした感もあり、流れはあまりよくない。スワーヴリチャードは外枠の14枠ですが、M・デムーロは本来外枠が得意なジョッキー。私は、この馬の出方がカギを握ると思っています。キタサンブラック=武豊にまったく遠慮なく仕掛けていくとしたらM・デムーロのスワーヴリチャードでしょう。この馬が早めに仕掛けていくことでレースが一気に動くかもしれませんね」
実はTARO氏は枠順決定の前はミッキークイーン、サクラアンプルールの2頭に注目していたのだが、2頭とも枠番に恵まれなかった。
「期待していたミッキークイーンですが、外枠の13枠に入ったことでやや割り引きが必要です。実力は確かなので縦長の展開になって上手く脚を溜めたいところ。またサクラアンプルールも真ん中より外の9枠を引かされてしまった。この枠順だとロスを被る可能性が高く、穴馬としての期待は一気にしぼみました」
だが、枠順が決まったことで新たな注目馬も登場した。
「絶好枠は最内枠のヤマカツエースでしょう。ただベタすぎる感もアリ、想像以上に穴馬として馬券が売れそうな気がします。それならば6番枠と許容範囲の枠を引けたサトノクロニクル、ギリギリ内寄りとなる8番枠を引けたレインボーラインが怖い。サトノクロニクルは有馬記念に強い池江厩舎の管理馬で、勢いのある3歳馬でもあり侮れない存在です。レインボーラインは位置取りがカギになりますが、有馬記念に強いステイゴールド産駒。スタミナだけならメンバーの中でも上位クラスで、スワーヴリチャードが早めに動いてスタミナ勝負になれば、大駆けの期待ができそうです」
キタサンブラックの強さは際立つものの、今年の有馬記念は混戦だとTARO氏は言う。
「相撲でいえばキタサンブラックは横綱です。しかし、今回の有馬記念は下剋上を狙う関脇クラスが豊富に揃っているんです。体調や流れ次第で、伏兵の逆転もあり、波乱は十分にありそうです」
TARO氏の最終見解はレース当日にTARO氏のブログ『TAROの競馬』でも公開予定。1年を締めくくるビッグレース、イチオシ馬に夢を託して欲しい。<取材・文/SPA!編集部>
有馬記念は枠順が重要
枠順決定の前に注目していた2頭は……
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