お金

馬券を買う勇気と買わない勇気。借金500万円男を悩まし続けるギャンブルへの渇望

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は46回。  今回は、流されて馬券を買いそうになったお話です。

ギャンブル熱は永久機関ではない

競馬 ギャンブルをあまりしなくなったとしても、たまに思い出したようにやりたくなってしまうのは、内なる衝動だけが原因ではない。永久機関が存在しないように、ギャンブル熱もまた外部からエネルギーを取り込まないと生み出せない。 「暇だからパチ屋行くか~」 「新台出たらしいよ」  こんな簡単な言葉でもうウズウズして堪らなくなってしまう。依存症患者はこと依存対象の物に関しては驚異的なまでのエネルギー効率を発揮する。先に言うと、今回僕はギャンブルを「我慢した」。  エネルギーの原料はそこら中に転がっている。友達、SNS、電車での会話。人がいる限り、文明がある限り、酒やクスリやギャンブルから完全に隔絶される事は無いのだ。耳から情報を取り込んで心で燃やす。  僕はTwitterというSNSをよくやっているのだが、そこまで器用には目を使いこなせない。 「みんな大阪杯の買い目、決まった?」  大阪杯、ね…  どうせ競馬だろう。僕は競馬に明るくないのでそう簡単に買いはしない。ジャパンカップはジャパンだから買った。大阪じゃ僕を動かすには弱すぎる。これが大阪杯のちょうど一週間前の話。

久しぶりの元上司との飲みはエモかった

 その6日後、久しぶりに前職の上司に飲みに誘われた。奢られる機会は逃さない。貧乏人が笑って生きるためのライフハックだ。ちなみに、僕は人間関係の整理をしないので、これまで出会った人全てが僕の活動を確認している。知らないのはおそらく縁が切れた家族くらいだろう。  人間関係の整理をしない理由は、「いいヤツ」として積み上げた信用をリセットするのが面倒臭いのと、人間関係は熟成するとかなりいい味を出すことを知っているからだ。3年ぶりとか、5年ぶりとか、そんなスパンで再会するだけで結構感動するし、お互いに、仮に成長してなくとも時間の流れで形が変わったのを見るのが面白い。10年後、20年後、もっと長い時間を経て出る「久しぶり」はきっと格別なんだと思う。  数ヶ月ぶりの上司は見た目こそ変わっていないものの、酒はかなり弱くなっていた。時間の流れを感じる。以前は酒を飲んでいた時間が、思い出話を語る時間になる。  お元気ですか。職場は相変わらずですか。会社は辞めたけど、僕は今でも元気です。  屋内にいるのに、酒のせいもあって喉が熱くなった。これが「エモい」ってヤツか……。
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上司の一言が……
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