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競輪場の“ヤジ”が大幅に減った「意外な理由」。選手に「どのくらい聞こえるか」を聞いてみた

野次がない世界を選手はどう見るか

競輪 どうやら野次が淘汰されつつあるのは、SNSの存在が多少なりとも影響しているようだ。誹謗中傷や心ない野次が減ったことは、選手たちにとっては概ね「いいこと」と認識しているようで、あるA1級のボートレーサーはこんなエピソードを紹介してくれた。 「公営競技の選手って、負けたりミスすると『何やってんだバカヤロー!』って言われるのが当たり前の世界じゃないですか。やっぱりお金を賭けられる存在なので、それは仕方ないとは思うんです。でも、やっぱり人間って叱咤よりも激励されたいんですよ。 デビューして間もない頃、アウトコースからとにかく握っていたんです。着も5,6着ばっかでダメダメだったんですが、蒲郡で5着だったときに『攻めっぷりはよかったぞ! がんばれー』って言われたのは本当に救われた。舟券に絡んでないし、たぶん僕の舟券も買ってないのに見てくれてる人がいるんだって。それからですね、自分は見られている存在だって意識してレースに臨むようになったのは」

「バカヤロー!」よりも「がんばれー!」

 とにもかくにも、レース場やスタジアムで大声を張り上げると選手の耳にはけっこうな割合で届くのである。  選手やチームを愛するがあまりに、不甲斐ないミスを責めたくなる気持ちはもちろんわかる。そんなときこそ「バカヤロー!」ではなく、「がんばれー!」と声を張り上げてみてはいかがだろうか。 文/谷本ススム
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
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