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「右手がないことが理由ならまだ納得」“義手のギタリスト”がオーディション落選時に直面した“解せない理由”

知らない人からアドバイスされたところで…

Lisa13さん――SNS経由でいろんな言葉が飛び交う時代ですが、やはりLisa13さんのもとにもいろんな声が届きますか? Lisa13:メディアを通じて私を知ってくれた人のなかには、「Lisa13さんと同じ先天性四肢障害の子どもがいるのですが、親としてどんな振る舞いをすればいいでしょうか」という相談をしてくれる人もいます。障害があって表舞台に立つ人間として、何ができるかいつも考えています。あとは最近、“通りすがりのアドバイス系”が多い気がしますね。「もっと派手な義手でギターを弾けばバズるよ」とか「義手にドリルつけたら?」とか(笑)。さっきお話したように、いろいろなプロセスがあってたどり着いた場所なので、それらを知らない人から言葉を放られても「うーん」ってなってしまいますね。実際にライブを見てくれて、真剣に考えてアドバイスしてくれる声なら聞きたいと思えるんですが。 ===== Lisa13さんは、幸福や真実を引き寄せる引力みたいなものを纏っている。どんな入口から彼女を知っても、障害と健常の隔たりなどとうに忘れ、生き方に魅了されるはずだ。それはこれまでの人生において、彼女が家族や周囲への信頼と感謝を貫いたからではないか。彼女はきっと、その軽やかな足取りでこれからもこの世界を渡っていく。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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