更新日:2025年03月17日 10:14
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出店ラッシュ続く”回転寿司チェーン大手3社”の中で、くら寿司だけが「回転レーン」を続けられるワケ

国内首位を守りながら、海外売上比率4割を目指すスシロー

スシロー

beeboys – stock.adobe.com

運営元はFOOD&LIFE COMPANIESで、グループとしてはスシロー以外にも、杉玉97店(大衆寿司居酒屋:国内89店、海外8店)、テイクアウト店の京樽123店、みさき・三崎丸92店、その他17店と計1,166店舗を展開中だ。 スシローは24年9期(23年10月~24年9月)の1年間で45店舗(国内7店、海外38店)を出店させた。特に注目されるのは、積極的な海外市場の開拓。 アジア圏(中国+9、台湾+8、香港+7)を中心に出店を拡大し、中国では行列ができる店と話題になっており、今後もさらなる成長を期待できそうだ。 スシロー単独の実績(前年比)は売上3303億円(+21.4%)、営業利益313億円(+70.8%)、営業利益率9.5%(+2.8%)と収益率の高さが目立つ。 国内と海外を分けた前期比では、国内売上は2382億円(+15.7%)、営業利益は214億円(+93.2%)とほぼ倍増、海外も売上は921億円(+39.3%)、営業利益は99億円(+36.6%)と好調である。 海外分の構成比は売上で27.9%、営業利益で31.6%となっており、中期経営計画である海外事業の売上構成比40%の達成に向け邁進中だ。

適量適所な食材供給で原価率を抑制

課題だった原価率も前期44.5%から43.1%に抑制されている。 実現できた要因は、世界中に無駄なく適量適所な食材供給をテーマに、メーカーや物流会社などサプライチェーンに関わる仲間とデータを共有・連携、AI需要予測に基づく計画システム(SCM)などのDXを推進したからである。 現在、業務効率化やコスト削減、フードロス削減を実現させる計画を推進中だ。 国内の業績が好調だった一因は、割安感を訴求したキャンペーンを継続的に実施して集客力を高めた結果だろう。コロナ前(対2019年、既存店)に対しても、売上 108.1%、客数 104.3%、 客単価 103.6%と、回復していることが実績に表れている。 直近5か月間平均(24年10月~25年2月)の前年比も好調で、既存店ベースで売上107.0%、客数102.9%、客単価104.0%と上回っている。
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外食最大手傘下。最も積極的に出店数を増やすはま寿司
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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