更新日:2025年03月17日 10:14
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出店ラッシュ続く”回転寿司チェーン大手3社”の中で、くら寿司だけが「回転レーン」を続けられるワケ

外食最大手傘下。最も積極的に出店数を増やすはま寿司

はま寿司

Metro Hopper – stock.adobe.com

外食最大手であるゼンショーグループの傘下であるグローバルはま寿司。 ゼンショーは「フード業世界一」を標榜しており、M&Aで規模を拡大し売上は約1兆円、店舗数は約1万店舗(海外比率67%)を有した企業だ。 以前、ゼンショーはスシローとかっぱ寿司を傘下としていた時期もあったが、今は、はま寿司ブランドに経営資源を集中させている。国内の店舗数は、直近約2年の間で61店舗も新規出店するなど、急速に勢力を拡大して首位スシローに肉薄している。 業績(2024年3月期)は、売上1,971億円、営業利益114億円、営業利益率5.8%である。前年に対して、売上で275億円増(+16.3%)営業利益で29億円増(+35.5%)と伸ばしている。 直近の業績(25年3月期の第3四半期、24年4月~12月)にも勢いがあり、第三四半期までの売上は1,802億円(前年同期比25.9%増)、営業利益は、145億円(同96.2%増)と好調だ。 売上の伸びより利益の伸びの方が大きいのは、DXの積極的な推進で効率性を更に高めているのが推察される。

大手3社で最も安い110円握りを提供

以前(2009年)、スケールメリットを発揮し、平日90円キャンペーンを実施していたが、物価高騰の煽りを受けて2022年に終了した。 しかし、今でも通常の握りは大手3社の中でも一番安い110円(税込)で提供している。「でかい!はまい!」をキャッチフレーズにして集客力は抜群だ。 メニューも新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させている。今期も24年4月から12月までの9か月間に52店舗を出店し、718店舗(国内631店舗、海外87店舗)となった。 また、M&Aを活用し海外(アメリカ・スペイン・ドイツ・イギリス)で寿司のテイクアウト事業を展開する企業を買収するなど、はま寿司以外でも動きが活発で、今後も更に寿司事業を強化するようだ。
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今期売上の前年割れが続き、不安要素を抱えるくら寿司
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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