更新日:2025年06月26日 14:30
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「人と関わりたくないからほっといてくれ」“孤独死”現場を見てきた特殊清掃員が考える、社会から孤立させない方法

“他人におせっかいをすること”の大切さ

鈴木亮太また、孤独死が増える原因として未婚率の上昇もあるという。 「40代以降の未婚率が高いというのも孤独死の原因の一つではあると思います。最初は結婚していたが途中で離婚してしまった人とかも多いですが。パートナーや家族とのつながりが、孤立を防ぐ手段の一つになるかもしれませんよね。 死を防ぐというのは困難なことだと思うんですけど、早期に発見できれば死に至らなかったというケースもあります。でも突然死のような場合だと、どんなに周囲の人間とコミュニケーションを取ったところで、お風呂場でヒートショックのようなことが起きて突然死することもありますし。そういった場合は、第三者が目を光らせていても孤独死を予防することは難しいですよね」 世の中から孤独死を完全になくすことはできないが、個人が心掛けるべき意識はどのようなものがあるのか。 「これは“他人におせっかいをすること”に尽きると思います。私が子供のころって、夕方5時をすぎると『早く家に帰りなさい!』ってめちゃくちゃ怒ってくる近所のおばさんとかいたんですけど、そういう人が減りましたよね。 これって今のご時世的な問題だと思うんですけど、何かあるとすぐネットに晒されたり、すぐ批判されたりするじゃないですか。SNSを見てると、『関係ないのに注意された。腹立つ』みたいな書き込みも多いです。でも昔って、見知らぬ子供に注意するなんて別に珍しいことじゃなかった。 SNSの普及に伴って、“自分が起こす行動が周りの人にどう思われるのか”って、すごく敏感になっていると思うんです。そこを気にせず、ちょっと口うるさい近所のおばちゃんになるような意識を持つことが大事だと思います」 <取材・文/山崎尚哉>
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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