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一度落ちたら抜け出せない貧困スパイラルにはまった若者たちを直撃!

日本の貧困率は今や15.7%(先進国中2位)。特に、20~30代のホームレス化が急激に進行中だという。抜け出そうにも抜け出せない「貧困の連鎖」の現場をリポート!

一度落ちたら抜け出せない貧困スパイラルにはまった若者たちを直撃!

◆職と家を何度も失い路上に戻される生活

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 五味川祐太郎さん(23歳)は極貧の母子家庭に生まれた。食べるものにも不自由したため、児童養護施設に保護されて育ったという。高校卒業後は、飛行機の清掃や器具の運搬の仕事についた。母ともまともに連絡をとれない激務の日々。

 そんなあるとき、実家に帰ってみると家がなくなっていた。

「知らない間に、母が亡くなっていたのです。身寄りがいなくなり、生きている意味もわからなくなった。衝動的に『死のう』と思って富士の樹海に足を運びました」

職と家を何度も失い路上に戻される生活

 しかし、樹海をさまよい続けた五味川さんは奇跡的に生還。生きて還れたからには必死で生きようと、その後も忙しい毎日を送った。家にはほとんど帰れず、空港ロビーで僅かな睡眠を取るだけの日々。

 あるとき、ちょっとしたミスで飛行機のドアを傷つけてしまう。

「本当に小さな傷なのですが、ドア全体の交換が必要だと言われました。何百万円という損害の責任を問われ、自主退職という形で職場を去りました」

 寮住まいだったため、職と同時に住む場所も失い、路上生活へと転がり落ちていった。

 その後、新聞販売所での住み込みの仕事を見つけた。しかし営業中に、髪形を褒めたつもりの一言が客を怒らせてしまう。それが原因であっさりクビになった。

 またも路上に逆戻り。さらに、公園で昼寝をしている隙に全財産の入ったバッグを盗まれてしまう。

「目の前が真っ暗になりました。不安や恐怖を感じる余裕すらなくしました。その後は路上でただただ孤独に暮らしていました」

 五味川さんは、なんとか路上生活から脱出しようと行動を起こす。「まず仕事を見つけなければ」と、気合を入れてハローワークに向かった。しかしその窓口で、「役所で生活保護を受け、住む場所を手に入れてもらわないと仕事は紹介できない」と追い返されてしまう。

 そこで生活保護の申請に役所の福祉課へ行くと、「まずはハローワークで仕事を見つけてきて」と、たらいまわしに。再びハローワークに戻り「役所でこう言われた」と伝えたが、「連絡先のない人に仕事は与えられない」の一点張り。

 そこで、再度福祉課に行くと「仕事がないのならそこらへんの求人誌で探しなさい」と言われてしまう。五味川さんは生活保護を受けるのを断念し、その後も路上生活を続けた。ところが後日、彼のことを知った支援団体が福祉課に同行すると、あっさりと生活保護を受けることができたのだ。

― 20~30代ホームレスが落ちた[貧困アリ地獄] 【1】 ―




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