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“ヅラボクサー”「あの“事件”がきっかけで吹っ切れました」

【ポジティブ”カツラー”の主張】 何かとネガティブなイメージになりがちなカツラ。が、ちょっとした発想の転換で、明るいカツラライフを送っている人たちもいるのであった あの”事件”がきっかけでカツラ公認となり、吹っ切れました “ヅラボクサー”こと小口雅之さん
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’05年12月、試合中にカツラが取れてしまうというハプニングに見舞われ、一躍”ヅラボクサー”として人気となった小口雅之選手(33)。 「あの試合で僕は密かに引退を決意していて、最後だから髪の毛フサフサの状態で写真に残せればと思ったんですよ。メーカーに相談したら大丈夫、自信あると言われ、自分で引っ張っても取れなかったので安心してたんですが……」 異変が起きたのは第2ラウンド。 「貼り付けていたシールみたいなやつの端っこが少しめくれて風が入ってきて。3ラウンド目にはパカパカ状態。観念して4ラウンド目には取っ払いました」 恥の上塗りはしたくないと死ぬ気で奮闘した結果、試合は快勝。 「でも、ジムに迷惑をかけてしまったので、試合後はそれはもう落ち込みましたよ。オイシイなんて気持ちは一切ありませんでした」 そんな彼が薄毛に悩み始めたのは22歳。10代の頃の金髪やロン毛が、頭皮にダメージを蓄積させたのではと自己分析する。 「父や弟は今でもハゲてないので、遺伝ではなく自業自得なんですよ。だけど、当時は心底悩みました。実は22歳のとき、大手メーカーに相談して、勢いで80万円のカツラを作ったんです。でも、やはりあの頃はまだ”カツラを着けた自分”に抵抗ありまくりで、結局、日常ではかぶれずにいましたね。もう何とか毛根を復活させようと必死で、20万円以上する育毛治療コースを受けたりもしてました」 22歳でカツラを作るもかぶる決心がつかず そんな彼も、あのヅラ騒動以後、「カツラが公認になって精神的に解放された」そうで、今では日常で着用することも少なくない。 「騒動がニュースになって、世間のみんなが笑ってくれたのに救われました。当時は暗いニュースが多かったから、バカバカしくも明るい話題を提供できたんだと思えて、前向きに吹っ切れたんですよね。だから引退も取りやめて、面白いカツラをかぶって入場するパフォーマンスを始めたんですよ」 ヨン様カツラやリーゼントカツラなどを着用して評判は上々。 「もちろん普段はもっと自然なカツラですけどね。でも、電車の中とかでなぜかバレることがあるんです。『あの人カツラだよ』ってコソコソ話してたり。想像ですが、そういう人はカツラ業界で働いてて、業界人から見ると一目瞭然の特徴があるんじゃないかと」 いやいや、ヅラボクサーとして顔が知られてただけなのでは?
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草加有澤ボクシングジム所属。騒動後はバラエティ番組などにも出演。 カツラをかぶって入場するパフォーマンスで人気を呼んでいる ― 人はなぜ[すぐバレるヅラ]をかぶるのか?【9】 ―
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