醸造学科出身の店主が営む酒蔵業界の東大
◆福島・宮城・岩手 地酒を呑んで復興支援!!【2】
自粛ムードは百害あって一利なし! とは誰もが思うところだが、ただ飲むだけでは心もとない。そこで今回は東北の銘酒に出合える店を本誌が厳選。全国の飲んべえたちは東北の地酒を飲んで被災地支援に繋げよ!
◆和酒バーしもみや 東京・東中野
東北のレアな地酒に店主がイチオシのヤングコーン素焼き、
鮪の血合いのにんにく醤油漬け焼き、栃尾の油揚げ。酒が進むこと請け合いだ
東京の東中野駅から徒歩2分。日本酒を愛するおしどり夫婦が、小さな酒場を営んでいる。経営者の下宮龍児氏は、東京農大醸造学科の出身。ここは日本全国から蔵元の子弟が集まる、いわば酒造業界の東大だ。学窓で培った蔵元とのネットワークを駆使して’04 年に開いたのがこのお店。当然、一般の酒店には置かれないレアなお酒に圧倒的な強みがある。そんな下宮氏のオススメが、宮城県の新澤醸造店の「伯楽星」と「あたごのまつ」だ。
「この蔵元の新澤さんは農大の後輩で、震災で全損したのですが、蔵元の『我々が生きている証しを届けたい』との願いとともにお預かりしているのがこの酒です。究極の食中酒で、どんなつまみでもいける最高の一本ですよ」
言葉通り、ヤングコーンの素焼きを一齧りしてクイッと流し込めば、柔らかな甘みが残る口内を洗い、ほのかな酒の香りを広げる。
「寒梅酒造は震災で蔵が潰れてしまい、今秋の再開を目指して懸命ですが、跡継ぎの若夫婦が造った『宮寒梅』は、日本酒特有の匂いを抑えた飲みやすいお酒で女性の方にイチオシです」
その後も下宮氏は続々とオススメを出してくれた。
「この『黄金澤』は、壁が崩れ、製品も1000本単位で破損。秋の造りに間に合うよう修理中です。この味を覚えてくれれば、蔵元も復旧に向けて元気が出ます!」
東北の酒は死なず。ぜひともご賞味あれ。
お好みで選べるおちょこは、店主夫婦が地道に買い集めた逸品ばかり
◆和酒バーしもみや
住:東京都中野区東中野1-52-18-1F
電:03-3363-7878
営:火~土18:00~26:00 日18:00~25:00 月休み
●130銘柄を揃えた清酒ほか、ワイン(国産)、焼酎なども豊富。
洋食出身の店主が繰り出す肴は、どれも酒飲みを唸らせる逸品ばかり
取材・文/永利彩乃 浦和ツナ子 加藤 慶 野中ツトム(清談社) 長谷川大祐(本誌) 撮影/Toshitaka Horiba 赤松洋太
取材協力/さかや栗原 麻布店 住:東京都港区元麻布3-6-17 電:03-3408-5379 ●新橋と銀座にて「和酒BAR 庫裏」も営業中
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