更新日:2013年08月02日 09:07
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銀行員にしてプロボクサー、細川バレンタインのすごい生い立ち

投手と打者の二刀流挑戦で話題の日ハム・大谷翔平選手。が、それはあくまで同じ野球という競技のなかでの話。世の中にはもっとかけ離れたジャンルでの二刀流で活躍している人たちがいる。そんな“スーパー二刀流”のすごい人々に、両立の極意を聞いてみた。マジですごいよ! ◆銀行員×プロボクサー
細川バレンタインさん

8月18日に韓国で行われるOPBFタイトルマッチで、東洋太平洋スーパーライト級王者キム・ミヌクに挑戦する

 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ細川バレンタインさん。19歳まではナイジェリアと日本を行き来し、現在は日本チャンピオンをめざすボクサーであり、外資系銀行に勤める銀行マンだ。 「朝9時半から19時ぐらいまで会社で勤務、家に帰ってジムまで15kmを走っていきます。そしてジムでトレーニングして、帰りの15kmも走るというのが日課ですね」って、超ハードじゃないスか!? 「銀行員もボクサーも両方好きだから両立できます。むしろ昼間はオフィスに閉じこもってるんで、夜に体を動かすのはいいストレス発散になりますよ。『大変でしょ』とか言われるけど、自分からすると、この日本でできないことなんてない。日本の“できない”は、いくら頑張ってもどうにもならないナイジェリアの“できない”とはレベルが全然違うんですよ」  そんなセリフが出るほど、ナイジェリアでの生活は厳しかった。 「僕は貧乏から抜け出したくて、必死に勉強をしてケンブリッジ大学への留学の試験に合格しました。が、その権利は成績が自分より悪かったお金持ちの子にカネで買われてしまった。貧乏人はいくら努力しても報われない国なんです」  それでも19歳のとき、日本の祖母の援助で再来日できた。しかし、当時はボクサーになるなんて考えてもいなかったという。 「ひょろひょろで背も低く、ガリ勉タイプでケンカもしたことなかったんです。そこで、お金を貯めて大学に行くために始めたバイトがスポーツジムのインストラクター。それがきっかけで筋肉をつけて、その頃人気だった総合格闘技に興味が湧いて、まずパンチ力をつけようと、23歳で今の宮田ボクシングジムに入ったんです」  25歳でプロデビュー。が、それ以前に銀行で働き始めていたというから、日本に来たときの「お金持ちになりたい」という目的からすれば、わざわざ二刀流に挑む理由はなさそうだが……。 「お金だけをめざして頑張るのがむなしいなと思っちゃって。逆にボクシングは本当に好きだからやっていて、生きるためにやっているのとは違う。そこがいいなと」  さらに今は通信制大学でも学んでいるとか。二刀流どころか三刀流のスーパーマンなのである。 【細川バレンタインさん】 ナイジェリア人と日本人のハーフ。32歳。日本スーパーライト級4位で戦績は16勝(8KO)3敗3分 ― 投手兼打者どころの騒ぎじゃない![スーパー二刀流](驚)列伝【1】 ―
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