雑学

ズボラ女記者が「オーガニック女」御用達スポットに行ってみた

記者M体にいいものを食べたいと、オーガニックな自然食材などを愛好する女性は少なくない。それはいいのだが、度を越した「信仰」で周囲を振り回す人もいる。そんなオーガニック女御用達のスポットに記者Mが行ってみた

【記者M】
 “ていねいな暮らし”とは程遠い生活を送っている27歳。夕飯をポテチだけで済ませることもしばしば。服装の好みだけは図らずもオーガニック系

◆「オーガニック女」御用達のスポットに行ってみた

「その食べ物は毒だ」だの、「布ナプキンじゃなきゃ体が壊れる」だのと、オーガニックの熱心な信者たちはその頑ななポリシーで周囲を振り回しがちだというが、被害報告を聞いていると、彼女たちに決して悪気がないことも伝わってくる。そこで実際にオーガニック女たちが通う専門店へ足を運んで調査してみた。

 まずは青山のオーガニックショップへ。生成りの服にカゴバッグ、といういで立ちの中年女性に話しかけてみると、見ず知らずの記者相手に、自分がオーガニックを始めた理由、添加物が及ぼす悪影響についてなど、とめどなく語り始めた。極め付きは「自分の体に正直になること。ありのままの内面を見つめる。それがオーガニックです。そうしたら自ずと食べるものや行動も変わり、心も体も美しくなりますよ」の一言。いきなり先制パンチを食らったような気持ちだ。

 子供と買い物に来ていた主婦は、「目には見えなくても、食に気をつけないと将来子供が病気にかかりやすくなる。ママ友にオーガニック仲間はいないですが、今に見てろって思いますね。でも、高いから旦那のお弁当は冷凍食品です(笑)」と言いながら無添加のパンをレジへ持って行った。

オーガニック,潜入

カフェではビールやワインを飲む人も多かったが、酒類も当然のごとくオーガニックを謳っているものばかり。お肉も自然の飼料で育てられたもの。店内には「オーガニックだからいいの」と何杯もビールをおかわりしている客が……

 次に、表参道のカフェ併設の食材店へ。駅から歩く上に、入り組んだ路地の奥にあるにもかかわらずカフェは満員。この店の客は、2つの特徴が見られた。ひとつは、「体にいいものは好きだけど、毎日の食事までは……」と、どこかファッション感覚でオーガニックを楽しむ人たち。食事中、インスタグラムに写真をアップする姿も見受けられ、彼女たちは自己演出・自己陶酔の意味でオーガニック店に来ているのかもしれない。

 もうひとつは、徹底的に傾倒しているパターン。数年間スイスに住んでいてオーガニックに目覚めたという女性は、「スイスでも日本でもオーガニックは人気だけど、その手の店は、遠くで穫れた野菜を飛行機で運んで仕入れていることもあるでしょう? オーガニックは自分の体にも優しく、地球にも優しくするものだと思うから、輸送中にCO2を出すのは矛盾しているわよね」と都内の農家で穫れたものを選んで購入していた。

 そして記者もカフェで食事をしてみたが、「産地が、飼料が、天然の~」などと書かれているメニューを眺めながら豆や穀物の多いディナーセットを噛みしめていると、この一食だけでずいぶん体が健康になったような気がしてくる。ま、プラシーボ効果もあるのだろうが。

 最後に、自然食品ばかりが置いてあるスーパーにも寄ってみた。奥にはイートインスペースもあり、本なども売っている。本棚には、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』から始まり、奥に進むにつれて、神秘体験、ヒーリング、タロット、と徐々にスピリチュアル方面に……。自分を労わったり、目に見えない何かを信じたり、という意味ではオーガニックとスピリチュアルは似ているのかもしれない。

 そして、気がついたのは、この手の客は店員と会話しながら買うケースが非常に多い点。産地を知りたいという理由もあるだろうが、それだけではない。記者が突然話しかけても、嫌な顔ひとつしないのだ。やはり、最初に青山の店で会った女性の言うように、オーガニックのおかげで「心も体も美しい」のだろうか……。

 スーパーで買い物後、イートインスペースで食事をしていた女性に話しかけると、これまた笑顔で対応してくれたばかりか、持っていたノニジュースのパックを分けてくれた。彼女たちの純粋さに軽く敗北感を味わいながら、いただいたノニジュースを口に含むと、苦みが口いっぱいに広がった。

取材・文/朝井麻由美
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