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「上原ジュニア」が全米のハートを掴んだ舞台裏

上原浩治,上原一真

美人キャスター、エリン・アンドルース氏のインタビューに答える上原の長男、一真くん

「アイ・ドン・ノー」「エキサイテッド!」「グッド」「クレイジー?」

 上原浩治、田澤純一の大活躍もあり、2013年のワールドシリーズを制したボストン・レッドソックス。“聖地”フェンウェイ・パークの大観衆を流暢な英語で湧かせたのは、上原浩治の長男、一真(かずま)くんだった。

 上原がMVPを獲得したリーグ優勝決定シリーズで、上原と共に表彰台に上がった7歳の一真くん。「パパは吐きそうだったって言ってるけど、パパが投げてた時どんな気分だった?」との質問に対し「I don’t know(さあね)」と首を左右に振って回答。さらに、「見ていて(パパみたいに)吐きそうにならなかった?それとも興奮したかな?」と尋ねられると、すぐさま「(I’m)excited(興奮した)」と元気に答え、ファンのハートを鷲掴みにした。

【動画】Koji Uehara’s son gives adorable interview
⇒http://nikkan-spa.jp/535757



 このインタビューで一躍人気者となった一真くんを、一部メディアは「新たなロックスターが誕生」と紹介。ワールドシリーズ期間中は連日、試合前に一真くんがパパと一緒にストレッチやキャッチボールをしている様子や、他の選手の息子と“作戦会議”をしている様子が報じられた。ワールドシリーズ優勝後の表彰式でも再びインタビューされ、全米の野球ファンを湧かせた。

【動画】Koji living dream, son Kaz to party crazy
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◆上原の妻、美穂さんもフィールドに出て祝福

 一真くんの人気ぶりは日本でも話題となったが、もう一人、フィールド上で世界一の喜びを分かち合った人がいる。上原の妻、美穂さんだ。

上原浩治,上原一真

試合前のフィールドで選手たちと戯れる一真くん。メジャーではよく見られるおおらかな光景だ

 日本のプロ野球では、引退する時でもなければ、妻子が祝福のフィールドに招かれることはまずない。特に選手の妻は、影から選手を支える“内助の功”としての役割を求められる風潮がある。

 しかしメジャーでは、家族は共に戦い、最高の瞬間も共に分かち合う。

 社会とスポーツの関係が、日本に比べより密接な関係にあるアメリカ。選手の奥さんたちは、ロールモデル(社会の模範)としての振る舞いを求められるアスリートのパートナーとして、表舞台に立つ機会も多い。彼女たちには、日本にありがちな「影から支える」甲斐甲斐しさもなければ、表に立つことを一切拒むような、極端な思慮深さもない。

 表舞台に立つ機会が増えれば、必然的に横のつながりも広がる。メジャーで8年間プレーした田口壮氏の妻、恵美子さんの著書『メジャーリーガーの女房』によると、メジャーには「全米奥様ネットワーク」とでもいうべき、チームの垣根を超えた選手の奥さんたち同士の広い交友関係があるという。メジャーリーガーを夫に持つことの大変さを理解し合える奥さん同士は、その友情を深め合うのだ。

上原浩治,ロサンゼルス・エンゼルス

ロサンゼルス・エンゼルスの「奥さん会」。旦那のサポートだけでなく、自らもチャリティ活動などに精を出す

 アメリカ人は「仕事よりも家族」を大切にすると言われ、それはトップアスリートの世界とて例外ではない。冠婚葬祭はをもちろん、「娘の卒業式」や「息子の運動会」といった理由で選手や監督がチームを一時的に離れることもある。リーグのサポートも充実しており、たとえばメジャーでは“出産休暇”が制度として設けられており、「父親リスト」に登録すれば最長3試合の産休が認められる。青木宣親や川崎宗則ら日本人選手もこの制度を利用し、夫人の出産に立ち会った。

⇒【写真】エンゼルスの「奥さん会」はコチラ
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=535772


 上原が家族3人で抱き合って喜びを分かち合い、一真くんが“ロックスター”になったのも、家族を大切にするメジャーの環境があってこそだったのだ。

<取材・文/内野宗治(スポーツカルチャー研究所)>
http://www.facebook.com/SportsCultureLab
海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当

メジャーリーガーの女房

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