更新日:2014年08月09日 09:07
スポーツ

G.G.佐藤が波乱万丈の野球人生を振り返る「妄想は自分を奮い立たせるエネルギー源」

 中年になっても夢を追い求める貧窮ライターのマリオ高野です。埼玉西武ライオンズから戦力外となり、野球不毛の地であるヨーロッパ、イタリアでのプロ野球を経験後、NPBに復帰を果たした唯一のプロ野球選手である、千葉ロッテマリーンズのG.G.佐藤選手が『妄想のすすめ 夢をつかみとるための法則48』を上梓しました。  G.G.佐藤選手といえば、筋骨隆々としたホームランバッターのイメージが強く、ヒーローインタビューでの名ゼリフ「キモティ~!」や、2008年の北京オリンピックで世紀の大エラーをやらかしたことなどで野球ファンに強烈なインパクトを与えております。そんなG.G.佐藤選手に、著書に込めた思いを聞いてみました。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=694307 『妄想のすすめ』で伝えたいことは? 「僕のいう”妄想”とは、自分の可能性を否定しないで、自分が目指している理想の姿を想像することなんです。まわりからは、『妄想なんてしてないで、現実を見ろよ』と言われることもあるでしょうが、笑われたっていいじゃないですか。妄想は自分を奮い立たせるエネルギー源になりますから!」  辛い出来事や家族の不幸などのネガティブな部分をさらけだすことに抵抗はなかった? 「良いことも悪いことも、人生のすべてに意味があると思っていますし、悪いことがきっかけで強くなれた部分もあります。それに、すべてをさらけ出さないと人には伝わらないと思ったので、ありのままを出し切りました。僕が経験したことから、多くの人に元気や勇気をもってもらえたらいいなと思います。夢を持てる人持てない人、いろいろな壁にぶつかって思い悩んでいる人に読んでいただいて、少しでも役に立てれば嬉しいです。本当に、中学生ぐらいの若い人から大人まで、幅広い層の人に伝えたくて思いを綴りました。最近は、あまり夢を見ない人が増えているようですが、そんな時代だからこそ、“夢を実現する”ための参考になる本を出したかったんです」  読者の反応はどうでしょうか? 「本を読んでいただいた人から『元気をもらいました!』というメッセージをたくさんいただき、逆に僕自身が励まされて元気と勇気をもらっています。今回はじめて自分の人生を振り返り、それを本にまとめたことで、これまでの貴重な出会いや、お世話になった人たちへあらためて感謝するようにもなりました。その意味では、読者の方と心のキャッチボールができたようでもあるので、本を出して良かったと思っています」  本を出した手応えを、バッティングに例えると? 「自分としては、自分のすべてをぶつけた本なので、快心の打撃です!(笑)結果は、ヒットになるか野手の正面に飛んでアウトになるかどうかわからないですけど、野球と同じでフルスイングは出来たと思ってますので、僕の言葉によるフルスイングを見ていただきたいですね!」  G.G.佐藤選手といえば、記録よりも記憶に残るタイプの人気選手ですが、その野球人生はまさに波瀾万丈。大学時代はレギュラーにもなれず、ドラフト指名もなかったのにプロ野球選手になる夢を諦めずに単身アメリカへ渡り、マイナーリーグ最下層の1Aでプレー。3年でマイナーリーグを首になるも、帰国後に受けた西武ライオンズの入団テストでは、さまざまな幸運が重なって合格。最高年棒が1億円に達したほどの一流選手としては、猛烈に遠回りなプロ入りの仕方ですが、不遇時代に続けた努力と妄想が運を引き寄せた最高の好例といえるでしょう。

「バンド活動をやっているけど自信がないのでプロは目指してません」という西武ドームのビールの売り子ちゃんも、この本を読んで自分の夢に前向きになれたという

 レギュラー獲得後も、オールスターでトップ人気選出されるほどのスター選手にまで登りつめながら、「世紀の大エラー」後は心身ともにドン底に陥り、家族も不幸に見舞われるなど、浮き沈みの激しい人生にあらためて驚かされますが、絶望の淵に追いつめられた状況からの復活エピソードは、多くの人を勇気づけています。  今シーズンは足の故障もあって二軍暮らしが続いており、ロッテは最近になってデスパイネという右の強打者を獲得するなど、チャンスはなかなか巡って来ない状況にあります。しかし、それでも腐ることなく、二軍の試合では地道にヒットを打ち続けており、先日はファームの試合で1試合に2本のホームランを放つなど、存在感をアピールしています。 「足の怪我は治りました。もうシーズンも後半戦に突入しましたが、また必ずチャンスが巡って来ることを信じて、いつでも一軍でプレーするための準備を整えています。自分自身も、『NPBでもうひと花咲かせる!』という夢を実現するため、これからも妄想し続けますよ!」 <取材・文・写真/マリオ高野>
1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。その後、群馬県太田市へ移住し、現在は太田市議会議員に。X(旧Twitter):@takano_mario
妄想のすすめ 夢をつかみとるための法則48

プロ野球選手による“超”具体的な自己啓発論。

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