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“ニセモノ天国”中国は偽造・偽装が当たり前。領収書、証明書、チケットまで…

カード明細を切り貼り、日付を巧妙に書き換え……みみっちい「偽造・偽装」を重ねるのは、どこぞの地方議員たちのみにあらず。小銭・小利益を得るための、ある意味、熱意とマメさに溢れる人々の手口を探ってみた

◆個人商店、大学、ダフ屋……誰も彼もニセモノまみれ

 偽造・偽装の本場・中国から、筋金入りのエピソードを紹介。

ニセモノ天国、中国は「偽装&偽造」もやっぱり豪快だった 日本同様、中国でも偽装の定番は経費のごまかし。便利なことに中国では繁華街の路上の売人から簡単に偽造領収書を購入できる。一方で、本物の領収書を手に入れるのはひと苦労だ。個人経営の店だと脱税目的の売り上げ操作のため、領収書を出さないことも多い。無理にもらえば値段が1割増、なんてこともある。この流儀を知らない日本人上司に悩まされたのが日系企業で働く中国人のMさん(29歳)。会社用のパソコン購入を頼まれたが、上司は電脳街で下見した“領収書なしの価格”を相場だと思い込んでいる。だが領収書がなければ経理は通らない。言いあぐねていると、「買い物もできないのか」と上司にどやされてしまった。

 続いては「学生vs大学」の偽造合戦。新卒生の就職難が問題の中国では、インターンを義務化している大学が多い。就職対策への熱心な取り組みを教育省へアピールするのが目的だ。だが、大学院進学を目指しているZクン(22歳)にとっては単なる時間のムダ。そこでネットショップで購入した偽造インターン証明でごまかした。勉強時間を確保したはずのZクンだが、あえなく院試に失敗し無職の身となってしまう。そこで、就職率を上げたい大学側が偽造就職証明を手配。書類の上では就職したことになっている。

 ニセモノ天国の中国でも“体験”は偽造できないだけに、コンサートやイベントの価値はすこぶる高い。チケットの価格も日本と同等かそれ以上だ。ゆえに「偽造チケット」をめぐる残念な話もある。娘にアイドルのライブチケットをせがまれたIさん(49歳)。少しでも出費を抑えようと、開演後にダフ屋価格が値崩れした先を見計らって購入した。ニセモノをつかまされないよう、娘がゲートを通過してからお金を払う念の入れようだったが、数分後には号泣しながら戻ってくる娘の姿が……。実はゲートの奥にもう一つ検査所があり、そこでニセモノとバレたという。最初の検査はテキトーだと知っていたダフ屋にいっぱい食わされたのだった。

【高口康太氏】
翻訳家、ジャーナリスト。「政治、経済から三面記事まで」をモットーに中国庶民の悲喜こもごもを追いかける。中国情報サイト「キンブリックス・ナウ」を運営

取材・文/SPA!偽造・偽装事件取材班 イラスト/こまつめ組
― セコすぎる[偽造・偽装]事件簿【8】 ―




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