自分が使いたい電気は自分でつくる「オフグリッド」な生活とは?【vol.3】

大手電力会社が電気料金値上げや原発再稼働に邁進しているなか、「脱・大手電力会社」の動きが急速に進んでいるという。その理由は何なのか? 自治体、企業、一般家庭それぞれの「電力シフト」最前線をリポートした

<一般家庭>生活の質を落とさずにオフグリッドへ移行

⇒【vol.2】「廃棄バッテリー再生で安価なシステムが完成」

佐藤家

「自分がつくった電気で暮らしがまかなえているのは楽しい」と語る佐藤さん夫妻。「以前に比べて天気を気にするようになりました」 撮影/新井由己

 今年の夏、神奈川県横浜市で新築住居を建てた佐藤隆哉さん・千佳さん夫妻も、自エネ組の独立型ソーラー発電を導入した。自然派住宅を施工する「天然住宅」が主催した「オフグリッドセミナー」に参加し、初めて独立型ソーラー発電があることを知ったのだ。

「最初は電力会社に買ってもらうつもりでした。でも、そのコストを一般家庭が電気料金で負担するということを知り、売電をやめて独立型にしようと思ったんです」(佐藤千佳さん)

 家電は一般家庭にあるものとほぼ同じで、400リットルの冷蔵庫、洗濯機、エアコン、PC、プリンター、照明など。特に家電の使用をガマンしているわけではない。暖房はガス給湯式床暖房で、いずれ真空管式の太陽熱温水器を設置してガス使用量も減らすつもりだ。

 発電量は晴れれば4~4.5kW、雨のときは1kWほど。平均2.7kWで、ほぼ一日に使う電気は賄える。バッテリー残量も70%をキープ。もちろん佐藤さんも電力会社に払う電気代は0円だ。

「最初はドライヤーを使うのにもハラハラしていたんですが、1か月近く暮らして、ずいぶん安心感が出てきました」(同)

 庭の畑は耕さない自然農。「いずれは小さな田んぼでコメもつくりたい」と言う。晴れの日は掃除機、炊飯器、電動芝刈り機、電動ノコギリなどを使い、雨の日は節電してゆっくりと読書などを楽しんでいるとか。オフグリッド生活を始めると、自然に寄り添う暮らしになるのかもしれない。

取材・文・撮影/新井由己 志葉玲 北村土龍
― [脱・大手電力会社]はここまで進んでいた【5】 ―




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