あの賞は本当に権威があるの? グッドデザイン賞、モンドセレクション…
「○○賞受賞」を宣伝文句に謳った商品はよく見かけるが、数が多すぎて「その賞、ほんとに権威があるの?」と疑いたくなるものも。
代表的なのは「グッドデザイン賞」だろう。応募数の実に3分の1が受賞できてしまう実態には批判もあるが、日本デザイン振興会の広報に問い合わせたところ、「この賞の目的は、デザインの機能、役割、可能性、魅力などを社会に普及・定着させ、そのために企業や行政を奨励することにあります」との回答。つまり、決してデザインの優劣を品評しているわけではないのだ。
しかし、消費者がこの賞を権威付けや格付けだと誤解しがちなことについては、「さらに周知を図っていく必要があると考えています」とのこと。
食品業界で有名なのは「モンドセレクション」。ベルギーの民間団体が審査しているが、実は応募数の約8割が日本からの出品。そのうち3分の2が金賞か最高金賞を受賞できてしまうという。
フードアナリストの重盛高雄氏は、「モンドセレクション自体は、54年の歴史を持つ由緒正しい機関ですが、そもそも“商品が規格や表示通りの品質かどうか”を絶対評価で品評するものであって、ミシュランのような“おいしさの格付け”ではないんです」と語る。いわば消費生活センターの商品テストのようなものを、さも権威ある賞のように日本企業が利用しているのが本当のところなのだ。
また、映画で気になるのが「モントリオール世界映画祭」。『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞を受賞したり、吉永小百合が企画・主演した『ふしぎな岬の物語』が審査員特別大賞を獲得して“快挙”と報じられたが、その価値は?
「モントリオールは、地元の人が楽しむための地域密着型の映画祭。ヴェネツィアやカンヌとは、そもそもの性質や評価の基準がまったく違います」と指摘するのは、映画批評家の前田有一氏。移民社会のカナダらしく、さまざまな国のマイナーな作品や新人発掘に重きを置いており、その敷居の低さに目をつけて、日本の配給会社がこぞって宣伝材料に使っているのが実情だという。いずれも賞自体よりは、賞の意味をぼかして権威付けに利用する企業の宣伝姿勢を問題視したほうがよさそうだ。
― あの[煽り文句]の真実を明かします ―

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