エンタメ

緊迫のアイドルオーディション現場にナマ密着――新生「平成琴姫」誕生の舞台裏

 着物をアレンジした華やかな衣装に、大正琴を改良して作られた完全オリジナル楽器“平成琴”を用いたパフォーマンス――和のテイストを前面に押し出した独自のスタイルで、ライブを中心に活動してきた「平成琴姫」。2012年3月31日に4人組アイドルユニットとしてライブデビューした彼女たちは、昨年4月にメンバーの卒業を乗り越えて3人で活動を続け、今年2月3日にリリースした3rdシングル『乙女革命』は過去最高の売り上げを記録、3月8日に行ったワンマンライブも大成功を収めた。

平成琴姫

オーディション後、新生平成琴姫の4人に研修生の林(写真左)を交えて記念撮影

 しかし、6月7日のライブをもって初代リーダーの桃屋マミ、二代目リーダーの沙月美祐が卒業を発表。唯一のメンバーとなったかとう唯は、グループの解散を望まず、新メンバーを加入させて“新生平成琴姫”を作ろうと決断した。

 オーディションの募集要項作りには、かとうも参加。約1か月の募集期間を経て、1次書類審査を行い、5月17日に都内某所で2次審査オーディションが行われた。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=881488

※かとう唯がダンス審査の前に、総勢15名のオーディション参加者にダンスレクチャー

 この日、参加したのは応募者数80名以上の中から一次の書類審査を通過してきた総勢15名。まずは結果から記すと、Coco海里、仲村一夏、神楽あゆと3人が合格。オーディション開催前は合格者の数を規定していなかったが、奇しくも結成当時と同じく新生平成琴姫も4人組としてリスタートを切ることになった。

 ここでは2次審査オーディション当日の流れを追いながら、3人の表情を追っていこう。

 受付開始は午前11時20分。審査員の一人として先に会場入りしていたかとうは、平成琴姫結成前はオーディションを受ける側だったのが、初めて審査する立場になって期待とプレッシャーを感じて、二日前から十分に寝られなかったという。審査員はかとうの他に平成琴姫プロデューサーのイシカワ先生、平成琴姫所属事務所の社長など総勢6名が揃った。

平成琴姫

ダンス審査は3名ずつ、5チームに分かれて行われた

 午後12時に参加者が会場入りすると、イシカワ先生から事前説明があり、まずはランダムで3名ずつ、5チームに分かれて『乙女革命』のサビを踊るダンス審査が行われる。その前に約30分に渡って、かとうによるダンスレクチャー。どの参加者も真剣な眼差しで細かい動きも見逃すまいと一挙手一投足に視線を注ぎ、自身の動きに反映させていく。早くも会場は熱気に包まれ、全員から並々ならぬ気迫が溢れ出す。

 ダンス審査本番は1チームずつ会場に入り、同じダンスを2回踊る。即席のチームで音に合わせて躍動する参加者たち。ダンス経験が全くない者と、幼少時代よりダンス経験を積んできた者とが混在しているので如実に実力差は出てしまうが、それぞれから真摯な思いが伝わってくる。

 上京して2年間、小劇場で活動してきた仲村は踊りのみならず表情も豊か。伸びやかな肢体を誇る神楽は、スタイルの良さを際立たせるように大きな動きで踊る。中学・高校と芸能活動をしていたCocoは、アイドル経験もあるだけあって、動きに余裕があって常に笑顔を絶やさない。

平成琴姫

平成琴を弾くのが絶対条件の平成琴姫。楽器経験のある者は歌審査でピアノを披露した

 続いては歌審査で、チーム毎に会場に入り、一人ずつ課題曲の『乙女革命』を歌い、ピアノ経験者は別に自由曲演奏も披露する。楽器を弾きながらのパフォーマンスが身上、そして生の歌声にこだわる平成琴姫だけあって、参加者の中には楽器経験者はもちろん、ボイストレーニングを受けていた者も少なくない。また有名な地方アイドルグループ出身者や、ソロアイドルとして活動してきた者もいるので、ダンス以上に歌のレベルは高い。

 そんな中、仲村はハリのある伸びやかな高音を響かせるが、やや音程は不安定さが目立つ。神楽はとびっきりの笑顔を浮かべながら歌に合わせて体を揺らし、大人っぽい落ち着いた歌声を聴かせる。やや声量に乏しい部分もあったが、最後まで安定した音程をキープ。Cocoは全身でリズムを取りながら、堂々とした歌声で存在感を見せ付ける。サビに向かって声量を大きくしていくなど緩急の付け方も上手く、参加者の中で最も完成度が高かった。

 ダンスと歌の実技が終わったところで集計が行われ、最終審査に誰を残すか審査員が審議する。この時点で神楽とCocoの評価は高く、次いで仲村に注目が集まった。

 最終審査である質疑応答に残ったのは8名。一人ずつ会場に入り、自己アピール後に審査員の質問に答えていく。ここまで残った参加者は、さすがに自己アピールが上手く、平成琴姫への熱い思いを的確に言葉で表現していく。

◆仲村一夏 「おじいちゃんと歌ったんです」と“軍歌”を選曲

平成琴姫

仲村一夏●1994年5月9日大阪府生まれ

 参加者の中でも一際、元気さが漲っていたのが仲村だ。小劇団で鍛え上げたであろう小気味よい滑舌で「歌もヘタクソでダンスも普通なんですけど、やる気はあるのでよろしくお願いいたします!」と挨拶。

 退路を断ち、絶対に平成琴姫に入るために勤めていた就職先を退社してオーディションに臨んだと熱く語った。審査員から得意な曲を歌ってと振られると、「カラオケとかにも行かないから最近の曲は知らないんです」と戸惑いながらも、何と軍歌の『上海だより』を朗々と歌い上げた。「おじいちゃんと歌っていたので覚えているんです」とのことだったが、二十歳とは思えない独特の選曲は審査員の笑いを誘った。かとうの評価は「ダンスも良かったけど、ルックスもキャラも可愛い」だった。

◆神楽あゆ ダンスは苦手……だけど「楽しさが伝わってくる」(審査員)

平成琴姫

神楽あゆ●1996年1月3日東京都生まれ

 まるでリラックスしているかのように、落ち着いたトーンで大物ぶりを垣間見せたのが神楽だ。

「顔は大人っぽいほうなんですけど、性格は変なコだねとか面白いコだねとかギャップがあると言われます。あと両利きで大食いです!」と矢継ぎ早にアピールした後、「アニソンシンガーを目指しているんですが、今はアイドルの勉強をさせて頂いて将来に活かしたいです」と明確な夢を語った。

 さらに「声が低音なのでハモりに活かしていきたいです」と話すと、かとうが平成琴姫のオリジナル曲を歌って欲しいとリクエスト。すると躊躇することなく2ndシングルの『Darkness~心の闇』、さらには平成琴姫もカバーするボーカロイドソング『千本桜』を情感たっぷりに歌い上げた。『千本桜』ではイシカワ先生から振りも加えて欲しいと突然リクエストされて、ぎこちないながらもダンス。終わった後に「ダンスは苦手」と苦笑していたがやる気が前面に出ていて、「楽しんでいるのが伝わってくる」とかとうも高評価だった。

◆Coco海里 「変わるのなら 今でしょ」の歌詞が後押しに

平成琴姫

Coco海里●1991年5月31日神奈川県生まれ

 平成琴姫にかける思いを誰よりも熱い言葉で伝えたのが、最終審査のトリとなるCocoだった。

「中・高と芸能関係の仕事をしておりまして、ドラマやバラエティにも出させて頂きました。高校卒業を機に一般の社会を知りたくて企業に入りましが、同期で芸能界に残って活躍しているコたちを見ているうちに、どうして続けなかったんだろう、夢を諦めてしまったんだろうと思うようになり、またステージに立ちたいという気持ちが強くなりました。そんな時に平成琴姫のオーディション募集を見つけて、コンセプトに興味を持ったんです。自分の全てを全力で出し切れるのはここしかないと思って応募しました。特に共感したのが『乙女革命』の“変わるのなら 今でしょ”という歌詞で、書いたのがメンバーのかとう唯さんだと知って絶対に入りたいと思ったんです。今まで築き上げた平成琴姫に新しいメンバーが加入するのは、ファンの方を始め、唯さんもスタッフさんも心配だと思いますけど、もし合格できたら『新生平成琴姫も良い』と言って貰えるように頑張りたいです!」

 さらに得意曲を歌って欲しいというリクエストに、水樹奈々の『Silent Bible』を伴奏なしとは思えないほど情熱的に歌いあげた。思わずイシカワ先生も興奮した口調で「良い感じです!」と拍手を送り、満足げな表情を浮かべた。

 全ての質疑応答が終わると集計が始まり、すぐに即戦力として神楽とCocoの合格が満場一致で決まった。次点として仲村と、歌審査で歌詞こそ飛んでしまったがピアノ演奏を披露した林の名前が挙がり、特例で二人だけ再び質疑応答を行うことになった。

 ここで仲村は会場全体を使って多彩なダンスを披露して、明るいキャラクターと身体能力の高さを見せ付けた。林は再び『乙女革命』に合わせてソロで踊り、「女優もできるアイドルになりたいです!」と目標を掲げた。そして結果的に仲村は合格となり、林は研修生扱いでレッスンに参加することになった。

平成琴姫

決意も新たに、新メンバーそれぞれが色紙に所信表明を書く

 こうして新生平成琴姫の新メンバーが決まり、現在はライブデビューに向けてレッスン三昧の日々を送っている。6月30日に開催される『かとう唯 生誕祭』で新メンバーお披露目となり、3つのプレデビューライブを経て、何と新生平成琴姫の本格的なデビューライブは7月11 ・12日にロンドンで行われる『HYPER JAPAN Festival 2015 London TheO2』という大舞台になる。日本には数えきれないほどのアイドルグループが存在するが、和の文化を効果的にパフォーマンスに取り入れているのは平成琴姫しかいない。そのオリジナリティ溢れるコンセプトは海外のオーディエンスにも必ず伝わるはずだ。

 新生平成琴姫がロンドンでどんな爪痕を残すのか、今から目が離せない。

●新生平成琴姫ライブ情報

◇6/30(火)
『かとう唯 生誕祭』平成琴姫、新メンバーお披露目!
場所:新宿MARZ
開場18:00(予定)  開演18:30(予定)
前売り予約:¥2000 当日:¥2500(※1ドリンク別途)
出演:かとう唯、ハニースパイス、Splash!、Honey Squash、他

◇7/2(木)
新生☆平成琴姫プレデビューライブ
場所:浅草・花やしき座
開場18:30開演19:00

◇7/5(日)
場所:GAZ KOFU(山梨県甲府市中央1-3-7 101ビル ※旧甲宝シネマ)

◇7/7(火)
Hyper Japan 直前プレデビュー最終LIVE
場所:渋谷・CLUB ASIA

◇7/11.12
『HYPER JAPAN Festival 2015 London TheO2』
新生平成琴姫デビューライブ⇒http://hyperjapan.co.uk/latest-news/heisei-kotohime/

●詳細・最新情報は平成琴姫オフィシャルサイトまで! http://www.heiseikotohime.com/

<取材・文/猪口貴裕 撮影/道清展行>

乙女革命

限定盤DVD付




おすすめ記事