“日本一ラグジュアリーな格闘技イベント”が開催。大物経営者から往年の名選手までが集結
11月4日、都内で一風変わった格闘技イベントが開催された。
場所は八芳園。結婚式でおなじみの日本庭園である。この日は、その静謐な園内で最大の収容人数を誇る大広間「ジュール」の中央に格闘技用リングが設置され、周囲を普段は結婚式などで使われる円卓が囲む異質なレイアウトが用意されていた。1943年に創業された八芳園、70年以上の歴史あるなかで今回が初の格闘技イベントだという。
「~縁~ 八芳園 2015」と銘打たれたこのイベントは「蘇ったキックの英雄」の異名をとり、K-1 WORLD MAXなどで活躍した新田明臣氏が代表を務める「バンゲリングベイ・スピリット」(http://www.bungelingbay.com)主催によるもの。来場者にはドレスコードが課せれ、タキシードやスーツ、ドレスや着物といった、社交場のような華やかな装いに身を包んだ紳士淑女が約300席用意された観客席に集った。観衆は円卓につき、ディナーコースに舌鼓を打ちながら、目前で繰り広げられる格闘技を堪能するという趣向になっている。また、本イベントはチャリティーとしての一面も持ち、売り上げの一部は福祉施設や団体に寄付されるという。高貴な場に相応しいノブレス・オブリージュといったところだろうか。
ユニークなのは会場の雰囲気だけではない。リング上では、テレビショッピングや通信販売などを手掛け、「ビリーズブートキャンプ」の大ヒットで一躍名を馳せたショップジャパンの代表取締役社長、ハリー・A・ヒル氏をはじめ、不動産やIT、飲食など各業界で目覚ましい活躍を見せる辣腕経営者、大手外資金融勤務のアナリスト、保育士、司法書士といった個性豊かなバックグラウンドを持つアマチュア選手たちが対戦。会場には出場選手の関係者も多く詰めかけ、他の格闘技イベントとはまた一味違う盛り上がりを見せる。
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さらに現在の日本ヘビー級を牽引するKOICHIと、K-1全盛期にアンディ・フグらと鎬を削ったノブ・ハヤシという新旧トップファイターによる迫力満点のヘビー級マッチ、引退を表明した阿佐美ザウルスと、その彼が「最後に戦いたい」と直訴し、悲願の対戦が実現した寒川直喜とのライトヘビー級マッチというプロマッチ2試合には円卓から大きな歓声が飛ぶ。
試合進行は主催の新田氏とともに、K-1屈指の人気選手だったニコラス・ペタス氏が務め、その軽妙な日本語で会場全体を鼓舞。リングサイドにはモデルの道端アンジェリカや俳優の高橋克典、川崎麻世らの姿もあり、豪奢な場の雰囲気にさらに華を添えていた。
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大晦日に大規模な興行を行っていたひと頃のブームの終焉以降、冬の時代が続く格闘技業界。だが、前代未聞の舞台作りとマッチメイクで観客を魅了したイベントの盛り上がりに、“格闘技復権”への可能性を感じる一夜となった。
<取材・文/日刊SPA!取材班 写真/山川修一>
- 内田武志氏と森道春氏による「社長対決」には会場から大きな声援が飛んだ
- 最終試合で勝ち名乗りを受けるハリー・A・ヒル社長
- ショップジャパン代表取締役社長、ハリー・A・ヒル氏
- 鮮やかなミドルキックを決める「スマサガ不動産」代表の城戸輝哉
- 主催の新田明臣氏
- 特設リングに華を添えるラウンドガール
- 「青い眼のサムライ」のこと、ニコラス・ペタス氏
- 道端アンジェリカはプレゼンターとしてリング上に上がる場面も
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