那須川天心vs武尊、武藤敬司引退etc.盛況だった「格闘技×PPV」で高額ファイトマネーの新時代は訪れるのか
「THE MATCH 2022(那須川天心VS武尊)」「超RIZIN(フロイド・メイウェザーVS朝倉未来)」「武藤敬司引退試合」など、プロレスを含む格闘業界では2022年から今年にかけて、さまざまなビッグイベントが開催された。出場選手の華やかさもさることながら、「PPV(ペイパービュー)」という都度課金型の視聴方式が採用されていることも注目を集めている。
――Twitterで「#MutoFinal」が世界トレンドに入るなど、「武藤敬司引退試合」は大きな盛り上がりを見せました。この結果をどのように捉えましたか。
山内隆裕(以下、山内):プロレスリング・ノアに所属している選手だけでなく、新日本プロレスや全日本プロレス、DDTや東京女子プロレスに至るまで、団体の垣根を超えたスター選手が一堂に会する、まさにレジェンドなイベントでした。会場には日本人のプロレスファンが多く集まっていた一方で、「レッスルユニバースPPV」では海外ファンの視聴が多く、全体の約7割を占めました。
その背景には「レッスルユニバース」で英語実況版を配信したことが挙げられます。Twitterで「#MutoFinal」のハッシュタグが日本トレンドにとどまらず、世界トレンド1位にランクインしたことや、NOAHの英語版YouTubeチャンネルの登録者数が、昨年末から約3倍に伸長するなど、海外勢の熱気を感じました
――「レッスルユニバース」にて、英語版の実況を配信することになった背景を教えてください。
山内:海外の中でも特に、アメリカやヨーロッパに日本のプロレスファンが多く集まっています。しかし今までは、注目の試合を日本語実況と同時に英語実況で配信されることがあまりなく、海外のプロレスファンは日本語版の実況を視聴するか、自分たちで翻訳するかでしか視聴することができませんでした。
そこで今回は、「レッスルユニバース」にて英語版実況のPPVを、日本語版とほとんど変わらない金額で販売し、かつNOAHの英語版YouTubeやTwitterの切り抜きでも発信することで、より多くのプロレスを愛する海外ファンにこの大会を届けることができました。
とりわけ、2月21日に開催された「武藤敬司引退試合」は、インターネットテレビ局「ABEMA」が「ABEMA PPV ONLINE LIVE(ABEMA PPV)」にて独占生中継。
さらに株式会社CyberFightが運営するDDT、プロレスリング・ノア、東京女子プロレスなどのプロレス団体による動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE(レッスルユニバース)」では英語中継が配信された。「ABEMAPPV」ではこれまで生中継したプロレス興行の中で、視聴チケットの券売数が最高数を記録したという。
同試合を手掛けた株式会社CyberZの代表取締役である山内隆裕氏は「格闘に関する試合を観戦するときに、PPVを購入するという選択肢が当たり前になるだけでなく、格闘PPVが盛り上がることで選手の皆さまへ還元できるビジネスモデルをつくっていけたら」と話す。武藤敬司引退試合の反響や格闘技の試合とPPVの相性について話を聞いた。
「#MutoFinal」が世界トレンドに
「国外の日本格闘技ファンにも届いた」
IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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