新垣結衣と再タッグ、『逃げ恥』脚本家が明かす秋ドラマ『けもなれ』へのこだわり
獣になれない私たち』では、再び新垣結衣とタッグを組み、オリジナル脚本で新しいカタチのラブストーリーに挑戦している。
次世代のヒットメーカーと呼ばれ、今もっとも注目の脚本家と言っていい彼女に、大好きなテレビドラマに対する思い、脚本家という仕事についてのこだわりを聞いた。
――『逃げ恥』に続き、新垣さんとの組み合わせが話題の『獣になれない私たち』ですが、このドラマが生まれたきっかけを教えてください。
野木:2~3年前に、20代からアラフィフの女友だちが、みんな「彼氏が欲しい」ではなく「恋がしたい」と言っていて。それで恋をさせてくれっていうドラマをいつか書きたいな、と思っていたんです。そこから話はだいぶ変わったんですが。
――かなり前から構想を温めていたわけですね。
野木:30代以上の女性たちの話をさらに聞くと、もう仕事が大変なわけですよ。上と下の板挟みになって、完全に中間管理職女子ですよね。上は言いたいこと言うわ、下はすぐ会社に来なくなっちゃうわで、結局、自分が何とかしなきゃいけない。なんかすり減るね、みたいな話になっていくうちに、「常に笑顔だけど心をすり減らしている女性」を書いてみようと。それで企画書からつくりました。
――新垣さん主演のドラマを何本も手がけていますが、彼女の魅力は?
野木:あんなにかわいくて美しいくせに(笑)、不思議な“普通力”を持っていますよね。いい意味で女優然としていないので、ドラマの中に入ったときにも、一般女性が共感できる役を演じられる。そういう女優さんってけっこう稀有な存在だし、新垣さんなら代弁者になれるのでは、と思っています。
――相手役の松田龍平さんに関してはどのような印象をお持ちでしたか。
野木:松田さんも“普通力”がある気がしますね。私とプロデューサーと監督と3人で「相手役は誰がいいか」って話になったとき、満場一致で決まったのが松田さんでした。飯田譲治さん脚本の『あしたの、喜多善男~世界一不運な男の、奇跡の11日間~』というドラマが大好きで、DVDボックスまで持っているんですけど、そこでのアウトロー気味な松田さんが印象に残ってます。『カルテット』や『あまちゃん』も好きですが、今回はどれとも違うタイプになっていると思います。
――『重版出来!』『逃げ恥』『アンナチュラル』と立て続けにヒットを飛ばし、巷では「次世代のヒットメーカー」と評されていることについてはどう思いますか?
野木:笑っちゃいますよね、「ヒットメーカー」って。やばいな、そのキャッチフレーズ(笑)。
新垣結衣と星野源演じる現代カップルの恋愛模様をリアルに描き、社会現象にまでなったドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(原作・海野つなみ)の脚本家・野木亜紀子。現在放送中のドラマ『どこまで言ってどこまで言わないか。いつもギリギリまでこだわります
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ