地方移住で「次の仕事が見つからない」憧れの田舎暮らしで突きつけられた現実
コロナ禍で働き方が大きく変わった。リモートワークが定着し、地方移住する人も増えた。とはいえ、都心部から田舎に移住したのはいいが、あらゆる“違い”に戸惑っている人たちもいる。
「憧れのエリアに家が見つかり、その頃はまだ妻と結婚していなかったので、私のみが先に引っ越しました」
1年以上さまざまな物件を見て、やっと理想の暮らしを手に入れた内藤義男さん(仮名・30代)。妻は仕事の事情もあり、内藤さんが引っ越してから1年後に同居し始めたという。しかし、田舎暮らしの不便さを大きく感じていたのは妻だった。
「田舎では、仕事が少ないことは想像していました。妻は失業保険をもらいながらの求職活動。受給期間の3ヵ月を“じゅうぶんだ“と思っていたのですが、想像以上に次の仕事が見つからなかったんです。田舎で本当に苦労をかけてしまったなぁと……」
内藤さんが妻の悪戦苦闘を振り返る。
「田舎での通勤はほとんど車です。しかし都会での電車通勤30分と田舎の車通勤30分では感覚が違います。45分の車通勤が田舎だと気楽だと思われるかもしれませんが、どこの地区に行くにも峠を越える必要があり、冬は路面も凍結するのでペーパードライバーの妻にとっては、厳しいものがありました」
職業訓練を受けて失業保険を少しでも長く受給したかったのだが、通える場所にはなかったそうだ。仕方なく、パートをしながら求職活動をしていたという。
「通勤ではなく、完全在宅の仕事を探すことにしました。そして妻は、1ヵ月間の研修を受けることになって」
研修の甲斐もあり、在宅勤務が可能な仕事を見つけることができた。
就職の面では、田舎に移住する前に周到な準備がないと厳しいと感じた。内藤さん夫妻は現在、憧れの田舎暮らしを満喫している。
そこで、本記事では「地方移住」で困惑したという2人のエピソードを紹介する。
結婚を機に退職した妻、田舎での求職活動は予想以上に厳しい
通勤30分は、都会と田舎では感覚が違う
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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