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現在の日本のコロナ禍は「人災」にすぎない/倉山満

今や、日本人は北朝鮮人民を笑えなくなった

 まだ、このくだらない世の中が続くのか……。
1月20日、岸田文雄首相は新型コロナの位置づけについて、現在の「2類相当」から、インフルエンザと同様の「5類」への引き下げへの検討を加藤勝信厚生労働相ら関係閣僚に指示した 写真/産経新聞社

1月20日、岸田文雄首相は新型コロナの位置づけについて、現在の「2類相当」から、インフルエンザと同様の「5類」への引き下げへの検討を加藤勝信厚生労働相ら関係閣僚に指示した 写真/産経新聞社

 検討使。岸田文雄首相の綽名(あだな)だ。最初に名付けたのは、国民民主党の玉木雄一郎代表だったと記憶している。しかし、最近は「検討使」も返上か。「検討を指示」することが多くなった。自分で検討すら行わない。しかし、すべてを岸田首相一人の責任にはできまい。  今や、日本人は北朝鮮人民を笑えないほど、文明から隔離されているとしか言いようがない。北朝鮮人民にも外国に旅行に出る人もいれば、外国人の様子をテレビなどで目にすることもある。かつて我々日本人は「どうして自分たちの状態をおかしいと思わないのだろう」と訝しがっていたが、何十年もあの異様な体制のままだ。金一族による朝鮮労働党独裁体制は揺らぐ気配が無い。しかし、今の日本も北朝鮮の如く、世界の不思議と化している。その典型例がコロナ(以下、新コロ)だ。

この期に及んで今すぐではないコロナの5類への移行

 1月27日に、ようやく岸田内閣は新コロの5類への移行を閣議決定した。ただし、時期はゴールデンウィーク明けの5月8日。この期に及んで今すぐではない。政府の大臣と官僚は大馬鹿三太郎さんの集まりか? 頭に蛆(うじ)でも湧いているのか?  世界中、とっくにコロナ禍を終わらせている。外国人観光客が日本に来て、「タイムスリップしたみたいだ」と驚く。地上波は世界中さもコロナ禍が続いているかのように「マスクをしている外国人」を写そうと必死だが、無理がある。東京オリンピックでも、日本ではマスクでソーシャルディスタンスだが、次期開催地のパリは「ノーマスクで三密」だった。これを見て、何とも思わない。思ったところでどうにもできない。今の日本人と北朝鮮人民の、どこがどう違うのだろう。  北朝鮮では人民が気付いたところで、どうにもならない。金一族と特権階級に圧殺されるだけだ。一方の日本は、国民主権の民主主義のはずだ。もし愚かな選択を続けているとすれば、国民自身が愚かなのだ。いいかげん、我々日本国民は、「自分たち自身が愚かなのではないか」と自己検証すべきではないのか。

国民自身の同調圧力による制裁は政府によるリンチの推奨

 その手始めが新コロだ。’19年12月の初動では、「未知の伝染病」だった。「もしかしたらペストやエボラのように危険な伝染病かもしれない」と警戒するのにも理由があった。初動で悲観論に立ち、感染拡大防止に努めたのも理由なしとは言えない。  だが、いったん恐怖を植え付けられた人々のパニックは収まらない。動揺する国民に対し、政府は全く必要のない緊急事態宣言を繰り返し、マスク生活を強要した。しかもその手段は法による責任ある手法ではなく、「要請」「お願い」などの無責任な方法であり、制裁手段は国民自身による同調圧力を使った。政府による私的制裁(リンチ)の推奨である。恐怖に打ち克たねばならない時に、パニックをまき散らした。大失政である。そこにさらなる失政をまき散らした。ワクチンである。
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日本のコロナ禍は人災にすぎない
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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