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「東大に行くために、あえて通信制高校を選んだ」マッキンゼー出身起業家が中3で導いた合格への“最短距離”

 東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。多くは、幼少から塾に通い名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」が多い。しかし、一部には、まったくエリートらしからぬ道筋をたどった方もいます。元落ちこぼれや休学経験者など、紆余曲折あって東大へ入学した、「リアルな東大生」の姿をお届けします。  今回お話を伺うのは、現在会社を経営している神田直樹さん(25)。彼は、東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに就職。1年で同社を退職し、株式会社Overfocusを起業。現在は国語専門塾「ヨミサマ。」を展開するなど、教育事業に携わります。  マッキンゼーといえば、外資系の超名門企業。「東大からマッキンゼー」のエリートコースを捨ててでも選びたかった起業の道。その決断の原動力は、彼が今までに感じてきた「生きづらさ」を解消するためでした。彼の半生を振り返りながら、その選択に至った理由を伺います。

勉強よりも「足が速い」ことが大事だった

神田直樹さん

株式会社Overfocus代表・神田直樹さん

「幼少期は、ずっと走っていました。通っていた保育園が体育会系で、『かけっこランキング』とか『垂直飛びランキング』が出たんですね。そこで一位を取るために、毎日走る練習をして。勉強しろとも言われませんでしたし、むしろトレーニングを推奨されていた記憶もあります」  幼少期は両親の仕事の都合で、茨城県の祖父母の家でのびのび暮らしていた神田さん。「足が速い=カースト上位」の価値観を元に、毎日走り込みをして足腰を鍛えたそう。実際、東大生に話を聞いてみると「子どものころから勉強漬け」な人は多くありません。  スポーツ漬けの保育園時代が終わると、ご両親のもとへ戻り、東京の公立小学校に通い始めました。「当時の成績は印象に残らない程度で、パッとしなかった」。勉強は学校でしかせず、中学受験にも興味はなく、塾に通う気も一切なかったといいます。

熱心な指導が息苦しかった中学時代

 そうして過ごした小学校時代も終わり、さぁ中学校に入学するとなったとき、転機が訪れます。突然、家族でドイツに引っ越すことになったのです。制服の採寸も終えて、日本の中学に通う気だった神田さんには寝耳に水の話でした。 「ドイツではミュンヘン日本人学校に通いました。中等部は全生徒を合わせても20人強しかいないのに先生は15人くらいいて、大人の監視の目が強かった印象があります。先生方は熱心でいい環境だったのですが、自分には少し息苦しかった。特に私はあまり落ち着きのないタイプの生徒だったので、注意されやすかったのもあるかもしれません」 「みんなやる気のある先生ばかり」と聞くと、保護者の立場からすれば「なんていい学校なんだ!」と感じるでしょう。ですが、それが子どもの生きづらさにつながっていることもあります。  彼の場合は、いわゆる不良生徒でもありませんでしたし、成績も悪くありませんでした。ただ、イスに座り続けていることや、黙って話を聞くことが苦手なタイプだったので、悪目立ちしやすかった。ほかに目立つ生徒がいなかったこともあり、先生からはよく注意を受けていたそうです。
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東大を目指すために通信高校を選んだ理由とは
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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