更新日:2011年08月14日 15:17
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石原都知事 実はパチンコがお好き!?

被災地にもようやく平穏が訪れ始めている昨今だが、福島原発事故による電力不足は未だ解消されずに、東京を中心として節電気運が高まっているのは御承知のとおり。電気の無駄遣いはダメ、絶対!なのである。 そんな節電ニッポンにおいて、批判の矢面に立たされている業界がある。そう、パチンコ業界である。ことの発端は、石原東京都知事の発言によるところが大きく、そこに嫌韓ムーブメントが融合して一大バッシングが起きていることも、これまたご存知の通りである。 石原都知事とパチンコ業界、そして一連のバッシングについて石原慎太郎はなぜパチンコ業界を嫌うのか?』 (主婦の友社)の著者であるPOKKA吉田氏と編集を担当した大崎一万発氏に話を聞いた。 ――震災以降、パチンコ業界は電力を大量に消費するとして、大バッシングが起きています。こうした流れは石原都知事の発言が非常に大きいと思われます。

POKKA吉田 ‘71年、大阪府生まれ。神戸大学経済学部中退後、ぱちんこ業界誌、遊技機メーカー系シンクタンクを経てフリーに。WEBサイト「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー」主宰。著書に『パチンコがなくなる日』(主婦の友社)がある

POKKA吉田「最初のバッシングはネットから始まってて、計画停電が始まった3月14日から激化していくわけです」 大崎一万発「電気が足らん! 計画停電しなきゃならん!ってのに、パチンコ屋のネオンはガンガン。そりゃ感情的にちょっと待てよってなるのはわかる」 POKKA吉田「でも、東京都のパチンコ店組合である東京都遊技業協同組合(都遊協)は14日の時点で自主規制を執行部で決めて営業時間の短縮や節電指針について組合員パチンコ店にFAXしているんですよ。バッシングに対して非常に敏感に、迅速に対応したワケです。でも、結局バッシングは収まらずに、4月9日に都知事選に立候補していた石原慎太郎が阿佐ヶ谷駅前とかで演説やった際に自動販売機とパチンコの電力消費について批判して、さらにヒートアップしたわけです」 大崎一万発「ネット上のバッシングは直接店や警察なんかにも入ってて、そういうくすぶってたのが、あの石原発言で一気に爆発したってことです」 ――その後、石原都知事は当選し、さらに語気を強めてパチンコ業界を叩き始めました。 POKKA吉田「石原さんは『東京電力管内のパチンコ店における最大電力使用量が450万キロワットだから、パチンコ屋がなくなれば福島の原発もいらない』ってことを、堂々と言ったわけです。でも、これに業界団体である都遊協が『450万キロワットじゃなくて、84万キロワットです』って訂正要請を出したんだけど、この訂正要望文書ですごい事実が明らかになる。なんと、パチンコ店の組合である都遊協が都知事選で石原慎太郎を推薦していたんです」 ――あんなに叩いてた業界から推薦されてたんですか? POKKA吉田「そう。『自由民主党東京都連東京都各種団体協議会からの要請を受け、推薦させていただきました』ってちゃんと書いてんのね」 大崎一万発「推薦してくれた業界団体を叩くって、この人くらいしかできんよ(笑)。そういうとこが人気の秘密なのかもね」 POKKA吉田「まぁ、ほかにも石原慎太郎とパチンコ業界ってのは薄からぬ縁があって、換金合法化を目指す議連に名前を連ねたりね」 ――その後、石原都知事は訂正要請に従ったのか、「訂正します」とは言わないまでも、数値については指摘の合った通りのものに言い換えました。しかし、さらに業界へは辛辣な発言が続きます。
大崎一万発氏

大崎一万発 ‘68年、高知県生まれ。元パチンコ必勝ガイド編集長。現在はフリーのパチンコジャーナリストとして、テレビや雑誌、新聞で活躍。

大崎一万発「パチンコは夜中にやれ!っていう発言ね。万々歳やーんって思ったんだけどね、俺は(笑)」 POKKA吉田「いや、それはあかん!(笑) 夜中にパチンコ屋がやるってのは社会的にどうかと思うよ。でもね、この発言が一連の石原パチンコ発言の本質で、石原慎太郎は『パチンコをなくせ』とは一言も言ってない。“厳しく許容”しているってのが彼のスタンスですよ」 大崎一万発「夜中にやった方がいいなんて、社会的にはダメなんだろうけど、立派な代替案であるわけやしね。ただ叩いてるヤツらとは、ちと違うわな」 POKKA吉田「パチンコの換金合法化議連に入ったり、パチンコ夜中にやれって言ったり、パチンコの業界団体から推薦受けたりね……」 ――実は石原さん、パチンコ好きなんじゃ……と POKKA吉田「それは言いすぎかもしらんけど、“認めている”ことは確かだよね。さっきも言った通りに“厳しく許容”はしているわけ。パチンコ税構想だって、役所は違法なものからは税金は取れないワケで、合法だから税金が取れるわけ。違法なら摘発するんですよ、役所は」 大崎一万発「違法化するんやったら税金かけられへんからね」 ――ですが、石原発言によってアンチ・パチンコ派はがぜん勢いづいてきています。 大崎一万発「石原さんが『パチンコはなくせ!』言ったってことになってますよね。いつのまにか雰囲気的に。アンチのヤツらには言いたいんだけど、石原慎太郎はお前らの味方は絶対にしないと」 POKKA吉田「なくせという意見は意見としてあってもいい。でも、立ってる論拠が貧弱というか、事実関係の誤認が甚だしい。間違った情報に基づいて、自分が正しいと思って発言なり活動なりするんでしょ、アホなんですよ」 大崎一万発「チャンネル桜に出た時にアンチの方々に直接聞いたんですよ。いや雇用もある、何十兆円ていう産業ですよ、なくしたらそういう人たちはどうすんのって。そしたらパチンコに加担してるヤツ、働いてるヤツも同罪やと言う。いや同罪って言っても生活があるじゃないですかって言ったら、ほんなら農業でもやればいいじゃないかって。そんな“農業でも”の言い草ですよ。ものすごい失礼じゃないですか」 ※チャンネル桜……日本文化チャンネル桜の略称、通称。保守系言論人や保守系市民運動を扱った番組を放送している。 ――前著パチンコがなくなる日(主婦の友社)では、アンチ・パチンコ派の急先鋒といわれる『なぜ韓国はパチンコを全廃できたのか』の著者である若宮健氏を名指しで批判しています。 大崎一万発「そもそも打ったことのない連中が批判するから薄っぺらになる。それを集会に出てた荒川区議会議員の小坂英二議員に正したら、そしたら『あなたはシャブを打ってないのに批判してるでしょ、戦争はダメだってやってないのに批判してるでしょ、そして我々はパチンコをやってないけど批判してる、それと同じだ』っていうんですよ。いやそれは違うよと。人殺したらダメだし、シャブもダメだからやってないけど、パチンコはダメじゃないじゃん」 POKKA吉田「アンチ・パチンコの集会やったのは、いうなれば保守的、右よりな連中なんですが、本当に論拠がダメ。パチンコ批判で一番まともなのは共産党、赤旗新聞ですよ。でも、いまどき共産党やってるって時点で俺はどうかと思うのね。しかしそのレベルに頭の良さで負けるわけね、アンチの論客と言われてる人たちって。もう話にならん。共産党ごときに負けてるようじゃいかん!(笑)」 パチンコ業界を取り巻く現状は、今なお厳しいものとなっている。しかし、やみくもな批判をすることで事態が好転するとは限らない。感情論ではなく、冷静な議論こそ必要なのかもしれない。 ちなみにPOKKA吉田氏の最新著書石原慎太郎はなぜパチンコ業界を嫌うのか?』 (主婦の友社)では、さらにくわしくパチンコ業界の裏側に鋭く切り込んでいる。アンチもファンも、ぜひ読んでみてほしい。
POKKA吉田氏と大崎一万発氏

「アンチな方々はもう少し勉強すべし!」とご両人。まともな論客を求む!と辛辣なメッセージも……

文/長谷川大祐(本誌)
石原慎太郎はなぜパチンコ業界を嫌うのか (主婦の友新書)

ベストセラー『パチンコがなくなる日』続編

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