ヤクザ組長の妻が心境を吐露「子供のためにも普通の生活がしたい」
暴力団対策法、暴力団排除条例が全国にあまねく敷かれ、ヤクザは減少の一途。しかし、その「“法”囲網」は彼らの日常生活にも浸食し、生きる権利を脅かすほど過剰だとも。いわゆる「極道の妻」に、その実態を聞いてみた。
「娘が独り立ちするまでは生活面で苦労しました。学校の先生はもちろん、奥さん友達しかり……」
そう語るのは広域暴力団3次団体の組長の妻、田中美智子さん(仮名・51歳)。ヤクザは世間からは理解されがたい。同時にあるのは、社会的には悪とされている人々の家族である生きづらさだ。
「もちろん胸を張って『お父さんはヤクザ』と公言している家庭もあるでしょうが、ウチは仲のよい友人は別として知人関係はもちろん、子供にも父親の職業にはあえて触れずに暮らしてきました」
聞けば、ヤクザを夫に持つ大半の妻は家族にまで“迫害”が及ぶこのご時世に恐怖すら感じているという。
「結婚後、主人が組に入った20歳の頃から『足を洗って』と言い続けています。理由は安心した生活……普通の家族として暮らしたいと今でも思っています。主人がヤクザでいる以上、いつ逮捕されるか、最悪の場合、殺されるか心の休まる時間はありません。もちろん金銭的には中流家庭以上の暮らしはさせてもらっていますが、娘や私の両親に対しては『夫は建設会社経営』と言ってごまかしていますが、もう隠し切れないですね」
“極道の妻”として生きる……映画とは違い、苦悩の世界のようだ。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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