プロ客から見たキャバクラの世界【コラムニスト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その118 ―
最近はなんでもプロと名前がつけば、もっともらしく見えるようですな。「プロ彼女」「プロ彼氏」「プロ主婦」「プロ追っかけ」とかね、いったい何をもって、プロなのか皆目見当がつきません。最近、有名女優が一般男性と結婚したけど、そんなこと普通はありえない。相手は「プロの夫」じゃないか、という噂もあります。なんだんねん、それは。
プロ乱立ならキャバクラに、「プロ客」がいてもいいでしょう。個人的には、すでに20年ぐらいキャバクラに通って、それなりの結果を残しって、何が結果だか、謎ですけど。
そんなわけでプロ客の視点から、キャバクラの世界を覗いてみたい。まずプロ客は、どの方面と懇意か、考えてみよう。ペットの例だと「犬は人になつき、猫は家になつく」と、言われている。だから引越しのとき、猫は匂いのついた毛布などと、一緒に移動すれば、落ち着かせることができる。
キャバクラのプロ客は、そういう観点で見ると断然猫派だ。つまり客はキャバ嬢に夢中になるが、実のところ繋がっているのは、キャバクラのスタッフである。店長や黒服と懇意になり、常連ゆえのサービスにありつける。例えばキャバクラ主催のゴルフコンペなんかにも誘われる。丸一日、延長料なしでキャバ嬢と一緒にゴルフを堪能できますからね、これぞ常連冥利に尽きるってやつです。
プロ客は、好みのコを席につけてもらうのは当然である。マッチングが功を奏せば、客に足繁く通ってもらえるから、店としても好都合だ。しかも、プロは口説きが成功しても猫派だから、また店に通う。やり逃げはしないので、店は凄く安心している。
これが一見の客だったら、「初めちょろちょろ、なかババア、帰りに美人」という鉄則のもとに、付回しをされる。①初めは無難な普通のコをちょろちょろ出して様子を見て、②中ごろにババアに近いベテランを出して時間を稼ぎ、③帰り際、客がキレ気味のときに、可愛いコを出して延長を勝ち取る。客はさっきまで無愛想だったが、突如にこやかになり、「なんだよ、可愛いコいるじゃん。仕方ないなあ、延長するか」と、まんまと店の作戦に乗せられてしまう。私も知らないアウェーの店で、何度それをやられたことか。
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