東京五輪のエンブレム決定で不安になる2020年、その後の日本【コラム二スト木村和久】
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その116 ―
東京オリンピックのエンブレムが決定し、関係者はひと安心していることでしょう。文句の宝石箱、森元首相も、今回は何も言ってない。当然いうわけがないですよ。だって今回は、公明正大なクリーンな方法で選んだのだから、文句を言ってはいけないのです。
前回は佐野さんの大活躍で、作品よりも選考法に問題がある方向になりました。じゃ、まず完ぺきな選考システムを構築し、何を選んでも、誰も文句を言わないようにしようと考えた。これって実に官僚的ですね。だからエンブレムが何に決まっても良かったのです。だって、誰も文句を言えないのだから。
けど個人的な見解を言わせてもらえれば、あのエンブレムはないんじゃないのと思う。本当にがっかりした。薄いグレーだか、青だか知らないが、一色のみの花みたいなデザインって、まるで葬式ですよ。なんでそうなるか?もっといいのがあると思うんですが。
経緯としては、4作品が最終ノミネートに選ばれた。一番左端に置かれたのが今回の市松模様の決定デザインだ。これは個人的には50点。ほか「風神雷神」「人の輪」「あさがお」が並んでおり、これらはそれぞれ75点ぐらいか。だからカラフルな3点で選べばいいと思ってたら、まさかの左端って、ありえないんですけど。
素人のくせに何を言ってるのと、思う人もいるが、あえて言わせてもらえれば、素人すら納得しないエンブレムは問題大ありだ。
決定したエンブレムのデザインだけを見れば、評価は凄く高いと思う。でもオリンピックのエンブレムは、世界60億人に向けてのメッセージだから、通好みの秀逸デザインなんて、大して価値はない。
まず最悪なのが、何を現しているのか、全く分からないこと。「日本伝統の市松模様で、人の輪みたいな、うんたらかんたら~」といわれて、ようやく、そうものかと分かる次第。この段階で本当は0点を与えたいくらいだ。
そもそも「オリンピックのエンブレムに説明は不要である」。
見た目120%で勝負するしかない。多種多様の民族と言語とイデオロギーが渦巻く宇宙船地球号(この言い方古いね)の乗組員に、いちいち説明してどうする。見た目が「お~ワンダフル~」それでオーケーの世界でしょ。
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