更新日:2012年09月10日 22:42
ライフ

間違いだらけの脳トレに騙されるな!

 ゲームの流行を機に広まった脳力アップ法。だが、それらのほとんどに根拠がない、と脳科学者の澤口俊之氏は一蹴する。 ◆脳トレのこれが間違い!
澤口俊之氏

澤口俊之氏

【誤】短時間睡眠で頭の回転が速くなる 【正】実は頭にも体にも負担がかかって寿命が縮む! 「適切な睡眠時間には個人差がありますから、短い睡眠で足りない人にとっては害でしかない。このように、一時期だけ流行って消えていく“トンデモ脳科学”はたくさんあります」(澤口氏) 【誤】脳力UPサプリで頭に栄養補給 【正】心臓への負担や統合失調症を招く恐れすらある!? 「サプリには、例えば血流を上げるものや、脳内ホルモンをいじるものがありますが、前者は心臓に負担がかかる。後者はドーパミンの分泌量を増やすことで思考力や集中力は上がりますが、外からの物質に頼ると自分で分泌する力が衰えます。これは、大げさに言えば覚せい剤の仕組みと同じ。依存してしまうと、統合失調症を招く恐れもあります」(同) 【誤】幼いうちに英才教育を施せ 【正】脳の成長がゆがみ、ADHDを発症するかも 「世の英才教育のほとんどが、論文で証明されていないものばかり。例えば、我が子を卓球選手にしようと、幼いうちにそればかり叩き込んでも、脳がいびつに成長する可能性が高まり、後天的な注意欠陥・多動性障害になる危険性があります。偏った教育を施しても、特定の“スキル”が身につくだけで地頭はよくならない。それしかできない子になってしまいます」(同) 【心得】 世の中で流行している脳力UP法はどれも科学者からすれば眉唾物 【澤口俊之氏】 人間性脳科学研究所所長。武蔵野学院大学教授。高次脳機能、脳育成学を中心に研究している。著書に『「やる気脳」を育てる』(小学館)ほか多数 取材・文/朝井麻由美 青山由佳 加藤カジカ 中野一気(中野エディット) 金谷亜美(本誌) 撮影/山田耕司(本誌) イラスト/タカミトモトシ ― 間違いだらけの健康法【16】 ―
「やる気脳」を育てる

『ホンマでっか』でお馴染み澤口先生が教える教育法

おすすめ記事
【関連キーワードから記事を探す】