中国で大人気【ヤクルト】密輸現場を激写!
6月2日にドラゴンガジェット取材班がお伝えした、ヤクルトの中国での爆発的な人気ぶり。ダイエットやがん予防、果ては豊胸まで、その効能に関するデマが広がったことが原因のようで、香港メディアによると、同地で約85円で販売されている5本セットの商品が、大陸では約130円で転売されているというのだ。あれから1か月。今なお冷めるところを知らないヤクルトブームを目の当たりにしたのだった。
香港から大陸へ抜ける羅湖ボーダーでの出来事。パスポートコントロールを通過し、税関検査場へと向かう筆者の目前に、バックパックやショルダーバッグをパンパンに膨らませた中年男女6人ほどの一行がいた。税関検査場へさしかかり、スーツケースをX線検査機にくぐらせる筆者を尻目に、小さな荷物のみでその義務のない彼らは、そのまま税関検査場を素通りしたのだった。
ところが筆者が税関検査場を抜け、無事大陸に入境すると、そこで先ほどの一行が集合しているのを発見した。怪しいと直感した筆者は、少し離れた場所で彼らを観察した。
すると彼らは、手荷物を床の上に下ろし、次々にジッパーを開けはじめた。そして中から次から次へと出てきたのは、なんとヤクルトのボトルだ!
さらにそこへ、大陸側で彼らを待っていたもう1人の女が、キャリーを携えて合流。
大量のヤクルトを慣れた手つきでキャリーの上にまとめ始めると、悠然とその場を立ち去ったのだった。そう、彼らこそ、香港で仕入れたヤクルトをハンドキャリーで中国に持ち込んで転売する、転売ヤーなのだ。
※【カバンの中から大量のヤクルトが!】画像はコチラ⇒
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=246252
一人当たり300~400本としても、合計2000本ほどはあろうかというその量は、明らかに個人消費用を超えており、中国の法律から言えば税関への申告義務があるはず。ところが彼らは税関を素通りしており、厳密に言うと「密輸」ということになるだろう。
香港メディアが報じた価格によれば、大陸での”末端価格”はおよそ5万2000円。香港から大陸に越境するだけで1万8000円ほどの利益が生まれることになる。2008年の毒ミルク事件発生以来、このボーダーで跋扈する粉ミルクの転売ヤーの姿もあったが、その規模たるや、彼らヤクルト転売ヤーの比ではなかった。
ほかにもiPhone 4Sなどのアップル製品や最新の携帯電話など、時の注目商品が次々と密輸されるこのボーダー。ここを彼らのような転売ヤーに背負われて越える商品は、人民に認められた栄誉ある証といえる!?
【取材・文・写真/ドラゴンガジェット編集部】
ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。
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