子供のために節約する父「雨の日も公園で弁当」
共働き夫婦が増えたとは言っても、家計の管理は妻。少ないお小遣いのやりくりに悩むサラリーマンは依然として多い。アベノミクスの恩恵は一切なく、お小遣い月1万円以下という猛者たちの極貧生活をルポ。1万以下ライフの真実に迫る。
◆雨の日も公園で手弁当!子供のために体を張る父
<岡本篤さん(仮名・49歳)運輸業 年収650万円>
妻と3人の子供を抱える岡本さんも、現在月に1万円のお小遣い。収入は本業と日雇いのバイトを足して650万円もあるのに、なぜこんなに小遣いが少ないのか。
「まず、養育費です。諸事情で長男が私立高校に入らざるを得ず、加えて、ほかの2人の子供にも塾や部活にお金がかかります。もうひとつは毎月17万円かかる住宅ローン。景気が悪くて数年前に給料が2割ほどダウンしました。そうなると、購入時に設定した住宅ローンの支払い能力をオーバーしてしまう。でも、今後もう給料が上がる見込みはないので、小遣いを減らしたりバイトをするしかないんですよ」
日中は会社勤め。夜は派遣の日雇いバイトをして、多い時は月額約10万円の副収入を得ている岡本さん。だが、それだけ働いていても、飲みに行ったり趣味にお金を使うことはほとんどないという。
「昼食は、毎食前夜の夕食の残りを詰めた弁当。外食なんて久しくしてないですね。外回り中に雨が降っても、喫茶店に入るカネもなくて、公園で傘を差しながら弁当を食べた経験も一度や二度じゃありません。僕自身はお金がなくてもいい。ただ、野球道具やゲームソフトなど、なかなか子供たちに欲しいものを買ってあげられないのが悲しいです」
夢を抱いて手に入れたマイホームの代償はあまりに大きかった。
【1か月の小遣いの内訳】
交通費5000円
飲食代4000円
趣味1000円
計1万円
イラスト/市橋俊介
― [小遣い1万円以下サラリーマン]衝撃の日常【5】 ―
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