『原発ホワイトアウト』登場人物のモデルとなった新潟県知事を直撃

泉田裕彦,原発ホワイトアウト

泉田裕彦氏

“原子力村”の内部事情をよく知る現役官僚が書いた小説『原発ホワイトアウト』(講談社刊)が人気だ。

 SPA!取材班は、同小説の登場人物のモデルと思われる人物を直撃、小説内では再稼働を阻む新埼県の伊豆田知事のモデルである新潟県知事、泉田裕彦氏を直撃した!

◆メルトダウンしない前提の“安全基準”は非常に危険だ!!

――『原発ホワイトアウト』を書いた現職官僚が懸念しているのは、外国に比べて甘い安全基準のまま原発再稼働に突き進めば、結局再びメルトダウンが起こってしまうということですが。

泉田:それは同感です。例えば、ヨーロッパの原発は「メルトダウンは起きる」という前提で設計されている。核燃料の冷却に失敗をすれば、溶けて下に落ちるわけです。福島原発事故では落ちたときに何の対処もしていないから、結果として大量の放射能を放出してしまった。そこで欧州では「コアキャッチャー」という設備を設置して、メルトダウンした場合に燃料が流れ込むようにしているわけです。

米国は9・11テロの後に規定を設け、いざというときに部隊が緊急展開して冷却できるシステムを持っている。ソフトか、ハードで対応するのかの違いはあれど、「メルトダウンは起きる」との前提で考えているのが世界の潮流です。

ところが日本の技術委員会の議論を聞いていると、「メルトダウンが起きる」という前提の議論をしていないのです。メルトダウンがいかに起きないのかを必死で説明している。これは第二の安全神話を作るのにほかならないし、政府全体で原発輸出をしたら製造物責任を問われる事態を招きかねない。「メルトダウンは起きる」という前提で議論をしてもらわないと本当に困るという意味で、『原発ホワイトアウト』で言われているリアリティには同感です。

 週刊SPA!12月17日発売号では、泉田知事にさらに原発のテロ対策の現状など突っ込んで話を伺っている。また、同小説に登場する河野太郎氏や前福島県知事の佐藤栄佐久氏なども登場。小説で描かれた世界の「現実度」について迫っている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

【泉田裕彦氏】
新潟県知事。「福島原発事故原因の徹底検証をしたうえで、世界レベルの新しい安全基準を作るべき」と主張している。住民の安全を守る立場を貫き、『原発ホワイトアウト』の中では、再稼働を阻む新崎県・伊豆田知事として登場

原発ホワイトアウト

日本を貪り食らうモンスター・システム。現役キャリア官僚のリアル告発ノベル

週刊SPA!12/24号(12/17発売)

表紙の人/中村アン

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