シニアでも「就職できる/できない」の境界
老後への不安から、貯金に励んでいる読者は多いだろう。だが、老後の幸・不幸を左右するのは当然ながらカネの問題だけではない。なかでも深刻なのが「独居老人」問題だ。ぼっち(孤独)、貧乏、ボケ……この「3B」が揃ったとき、老後が限りなく悲惨なものになるのは疑いない。30代、40代のうちに危険因子に気づいておけば、軌道修正もきっと可能だ!
◆あなたは将来……会社を辞めたら仕事がない!?
首尾よく65歳まで会社に残れたとしても、年金の受給開始がそれより先に延びる可能性は大。その場合、再就職先を見つけないことには、またも無収入の不安にさらされることになる。
「シニアの就職で、何より重視されるのは『健康・体力』。65歳以上の仕事の半数ほどを占めるとされる清掃、警備員は、その傾向が強いですね。この2つの職種では週2日、3日などのフルタイムではない募集も多いですが、ダブルワークをしてフルタイム並みの収入を稼ぐこともできます。東京などの都市圏に住んでいれば、午前と午後での掛け持ちなども可能ですよ」と話すのは、ジャーナリストの日向咲嗣氏。
再就職に有利に働く職歴や経験、技術などはあるのだろうか?
「タクシードライバーや運転代行など、運転関連の仕事はシニアの需要も大きいので、運転に慣れている人は二種免許を取得して挑戦しやすいはず。また、シニアの仕事で人気のマンションの管理人や学校の用務員、市税等の徴収員などは、コミュニケーション能力の高さが採用の決め手に。そのため、営業職の経験者などは歓迎される場合が多いでしょう」
一方で、「資格の類いはほとんど重視されません」とのことなので、「資格があれば何とかなるだろう」と安易に考えている人は要注意だ。
そして、軽視できないのが職探しのテクニック。
「転職経験のない人は、履歴書の書き方もわからず、ハローワークも使いこなせずに、職が見つからない……などと言い出す場合が多い。逆に、若いうちからハローワークに通っていたような人は、効率的な仕事の探し方や面接のコツを知っているので、老後の労働市場では優位に立てます。清掃や警備などの仕事では、早い時期から経験を積んでいる人のほうが、60代、70代でも優先して採用されやすい傾向が。つまり、若い時期にはいわゆる“負け組”だった人が、老後には逆に“勝ち組”になる可能性もあるんですよ」
<老後ビンボー危険度TEST 当てはまる項目にチェック!!>
●体力に自信がない&運動する習慣がない +1点
●免許を持っていない +1点
●転職経験がない +1点
●資格があれば再就職も安心だと思う +1点
●営業職の経験者である -2点
●東京などの大都市に住んでいる -1点
⇒3点以上は赤信号!
【日向咲嗣氏】
サラリーマンの「転職」「独立」「副業」「失業」問題などを中心に執筆活動を行う。著書に『家賃を2割下げる方法』(三五館)ほか
― あなたは大丈夫?恐怖の[老後検定]【3】 ―
![老後](/wp-content/uploads/2014/07/CL3_140701_19-300x202.jpg)
|
『家賃を2割下げる方法』 家賃は、下げられる ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
企業戦士が50代で保育士に転身。年収500万→150万に激減しても、毎日が楽しい理由
50代転職の極意:保育士への転身で年収150万減も「天職」を掴んだ元SE
「50代でも転職できる!」説は本当か?多くのミドルを待ち受けるいばらの道
「50代前半で脱サラ→準備1週間で起業も月収2万円…」それでもドン底から這いあがれたワケ
50代男性がやってしまう「女性にウザがられるLINE」4つの特徴
「前の職場では〜」を連呼する社内の嫌われ者。どの職場にもいる“転職出羽守”の実態とは
貯金200万円を切り崩す65歳のリアル。年金8万円、退職金もなかった
大手メーカーを早期退職した59歳男性「退職金4000万円上乗せ」も大後悔のワケ
地方議員の兼業はおいしい?公務は年38日で報酬762万円
シニア求人、10~20年後の未来予測。どんな仕事がある?