娘が語る亡き父・立川談志への思い――落語立川流一門による『談志まつり』が今年も開催
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◆「私は選んで『談志の娘』になったわけではありません」
立川談志の長女でタレントの松岡弓子さんは、「生き様と死に様を見せてくれた父には、今は『ありがとう』の一言です」と、亡くなってからの3年の月日についてこう語る。 「父の命日には、朝、お墓参りをして『談志まつり』の公演に向かうというのが家族の恒例になりました。3年もたつと人の気持ちも変わってくるようで、悲しみばかりだったのが、今は、みんなで笑っていたい、と思うようになりました。誰よりも談志がそれを望んでいるな、って。 やっぱり、時間というのはすごいもので、立ち上げ当初、あれだけ周囲に猛批判された落語立川流も、30年続いたわけです。継続はやはり力。それは、やっぱり、お弟子さんたちのおかげなんですね。 談志のところにくるような人たちですから(笑)、個性的な人が多いんですが、立川談志に対しては、私とはまた違う、お弟子さんたちにはお弟子さんたちの思いがあると思うんです。 私は選んで『談志の娘』になったわけではありません。でも、彼らは自らの意志で談志のもとにやってきた。その意味では、『立川談志』に対して、私たち家族より深い思いがあり、それが立川流を支えている。 あの世でずいぶん忙しいのか、父がこちらに帰ってくる気配はないんですが(笑)、弟子の姿を見ながら30周年を喜んでるんじゃないでしょうか」 一門に引き継がれる落語家・立川談志の魂。が、一方で、空き名跡となっている「立川談志」を誰が継ぐのか?というのも気になるところ。弟子たちが顔を揃える『談志まつり』はその才を見る絶好の機会でもある。 ま、そんなことより、単純に初冬の週末、落語を聞いて大笑いできれば、それで十分。なんてったって、「人生なりゆき」(談志)なんだし。 ●『落語立川流創立30周年特別公演 談志まつり2014』 日/11月21日(金)~23日(日)5公演 場所/有楽町・よみうりホール 料金/全席指定各回4200円 問い合わせ/夢空間 tel.03-5785-0380 http://yume-kukan.net <取材・文/鈴木靖子>
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『ザッツ・ア・プレンティー』 That's a Plentyは、談志が好きだったディキシーランドジャズの名曲で、談志の遺言どおり、出棺の際にはこの曲が流された。 ![]() |
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『努力とは馬鹿に恵えた夢である』 落語最後の名人は、名文家でもあった。人生と芸、そして〈東京言葉〉と〈人生の師〉と〈いい女〉等についての遺されたエッセイを集成 ![]() |
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