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肩がけニットの「ダサい」「おしゃれ」のわかれ目はどこ?

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第39回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 暑さが和らぎつつある8月下旬。夏物にも飽き、毎日同じTシャツスタイルに嫌気がさしてくるころだと思います。かといって今、秋物を買うにもすぐには使えないのでためらってしまうもの。そこで今回は秋物を使って、夏スタイルを一新させる小技を紹介しましょう。 ▼重ね着ができない夏に実践すべき「肩がけ」  夏服はどうして飽きるのが早いかといえば、それは「重ね着」ができないからです。どんなにお気に入りのTシャツでも、10回も着れば飽きます。夏以外であれば、上にシャツを着てインナーとして使ったり、ストールを巻いて変化をつけたりできるのですが、夏はそうはいきません。同じ着こなしになり、結果飽きてしまうわけです。  そこで提案したいのが「肩がけ」です。重ね着が難しくても「肩にかける」だけなら夏でも活用できます。猛暑の最中ではさすがにキツいのですが、今の気候であれば、そう暑苦しくはないでしょう。 重ね着ができない夏に実践すべき「肩がけ」 肩がけを実践するとこんな感じ。Tシャツ一枚のスタイルとは印象がかなり違います。地味でシンプルなTシャツスタイルに変化が出て「おしゃれ感」が生まれます。また肩がけスタイルにはストールやマフラー同様に「小顔効果」があり、顔の周りに布があるため対比効果で顔が小さく見えます。女子は写真を撮るときに必ずといっていいほど顔の近くでピースサインをしますね。あれは結果的に小顔に見えるからです。「8等身」などという言葉があるくらい顔の小ささは体型のバランスの要であり、それだけでモデルのような体型に見えるもの。夏にストールやマフラーは無理でも、肩がけなら問題なくできます。肩がけは単に「夏のスタイルに変化をつけてくれる」だけでなく、体型が少しキレイに見える裏技でもあるのです。 ▼「ダサい」「おしゃれ」のわかれ目はどこに?  さて本題です。「TVのディレクターかよ」「石田純一かよ」という定番のツッコミを承知のうえで、ダサくならないポイントをふたつ紹介します。ひとつは肩がけニットを前で結ばないこと。これはすべてNGではないのですが、「わざとらしさ」が顕著になります。上手にバランスがとれない人、慣れない人は、肩にひっかけておくだけの「肩がけ」がオススメ。「え? 肩がけ? いやいや、暑いから脱いで肩にかけているんですよ」という、いかにも自然に見せることで「気取った」雰囲気を打ち消します。前を結んでしまうとどうしても気取った雰囲気が透けて見え「石田純一?」になってしまうので、慣れないうちはやめておきましょう。  そして、もう一点。ポイントは「色」です。多くの方は、赤や黄色、チェックシャツなどカラフルな肩がけをしてしまうのですが、それだと目立ち、「肩がけ」に視線が集まります。肩がけは主従でいうとあくまで「従」なので、目立ってはいけません。そもそも首回りは視線が集中しやすいポイントなので、むやみにカラフルなものや無意味にデザインの入ったものを使うと、子供っぽい印象になります。なんか「わざとらしいなぁ」とか「ダサいなぁ」という肩がけは大抵目立って見えるものだと思います。そこで、選ぶべきは黒やグレーなどモノトーンです。 ▼ユニクロのメリノウールセーターはマストバイ!  肩がけをするポイントは上記の2点です。では、何を使うかというと、去年着ていたニットで十分、お金をかける必要はありません。ただし、新しく買いたいという方には、せっかくなので秋物のベストバイであるユニクロのニットがオススメです。 ⇒【画像】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=921335
ユニクロのメリノウールセーター

驚きのコストパフォーマンス

●エクストラファインメリノクルーネックセーター(長袖) 3490円+税  実はすでにユニクロでは秋の新作が発売されていて、定番のこのメリノセーターやカシミヤ混ニットなどがお店に並んでいます。今なら人気の色もサイズも豊富に揃っているので、選び放題でしょう。  このメリノクルーネックセーターは毎年の定番アイテムですが、ニットにうるさい「服オタク」が見ても、この商品の値段を当てることは困難だと思います。光沢のある美しい風合いのニットは誰がどう見ても高級ブランドそのもの。ニットは光沢がある風合いを高級品としますが、光沢は「糸の細さ」から生まれます。メリノウールにはストロングメリノからスーパーエキストラファインメリノまで多様な種類が存在し、それぞれに糸の細さが異なり、ユニクロが使うエキストラファインメリノは代表的なメリノウールの中でも上から2番目に細いものなのです。数字に表せば約19.5マイクロン(100万分の1メートル)という細さ。一枚数万円する高級ブランドなどが使うものと同等です。これが3490円(+税)で買えるのですから、「驚き」というほかに言葉が思いあたりません。アパレル関係者にタグを隠して素材だけを見せれば、「万単位」の回答が出るでしょう。  手持ちにニットがないなら、秋に向けてこちらを手に入れておくこともオススメです。  飽き飽きしがちな夏スタイルを解消する「肩がけ」、いかがでしたでしょうか。9月17日に発売する私の書籍『最速でおしゃれに見せる方法』ではこのほかにも実にさまざまな着こなしのテクニックを紹介しています。日本人の宿命である「胴長短足」を解消する着こなしや、色合わせの正解、「シルエットがいい」とは、何を根拠としているのか? ……これまでに誰にも教わったことがないファッションに正解をもたらします。多くの人が迷っている服の選び方を論理的にわかりやすく紐解いています。今なら抽選で予約特典のブレスレットが当たりますのでぜひご予約を! 〈文/MB〉 ※『最速でおしゃれに見せる方法』購入者にMBさんのオリジナル[限定ブレスレット]を抽選でプレゼント(応募は日刊SPA!にて)
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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