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30代以上が手を出してはいけない「夏のファッションアイテム」

メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理屈があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログやメルマガで「オシャレのルール」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第36回目をよろしくお願いします。  猛暑の2015年。これだけ暑いと洋服選びもテキトーになっていませんか? 暑いから、手頃だから、家にあったから、という理由で洋服を選んでしまうとファッション的には超危険ということも。今回は、30代以上の大人男子がやりがちですが、「手を出してはいけない夏アイテム」を紹介、解説していきます。 ▼クロックスのサンダル ⇒NG度★★★★★
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http://www.crocs.co.jp/crocs-classic/10001,ja_JP,pd.html?cid=3J5&cgid=men-footwear-clogs#start=3

 もはやファッション的にNGなアイテムの代表格といっていいでしょう。丸っこいフォルムに穴の空いたデザイン、通気性抜群でしかも軽量、履き心地において右に出る者ナシではあるのですが、クロックスをはいておしゃれに見せることは、はっきりいってムリです! どれだけキレイなパンツをはいて、どれだけキレイなサマニーットを合わせても、足元がクロックスというだけで台なし。「おしゃれは足元から」という格言があるとおり、靴は最重要ポイントです。なぜなら、足元や首元や袖先などの「先端」は、視線が集中し目に留まりやすい箇所です。試しに鏡で合わせてみてください。どんなに大人っぽいスタイルでも足元にスニーカーを合わせると一気に印象がカジュアルに寄ります。逆にジーンズやTシャツなどのカジュアルスタイルでも足元にドレスシューズを合わせると印象はドレス寄りに、大人っぽい雰囲気になります。足元の一点は視線が集中し、「全体」の印象を決定づける大きなポイントなのです。クロックスのサンダルは楽ですが、ボテッとした丸さと穴あきに、30代以上男子が求めるべき「大人なおしゃれ感」は皆無です。大学生なら「ラフだなー」ですむかもしれませんが、30代が手を出してしまうと「ダサっ!」「洋服に興味ないんだろうな」と思われること請け合い。1000円程度のシンプルなビーチサンダルのほうがマシ。近所のコンビニに行くときでさえ、ためらってしまうアイテムです。 ▼襟にチェック柄が入ったポロシャツ ⇒NG度★★★★☆
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http://item.rakuten.co.jp/limited2nd/5c386-5h385/?s-id=ranking_PC_child_genre_level03

 ネット上でもたびたび俎上にあがる大学生御用達ポロシャツ。重ね着風だったり、切り替えだったり、色々なバリエーションがありますが、なぜかどれも襟にチェックを入れたがります(はじめにこのデザインをつくったのは誰なんだ……!?)。最近ではイオンなどで売っているスーツ用のシャツでもこの手のデザインがある始末。襟裏にチェック柄が入っていたり、前立て(ボタンが並んでいる部分)の裏にチェック柄が入っていたり。先ほどのサンダル同様に、足元、首元、袖先などの「先端」部分はとにかく目立つ箇所です。Tシャツと異なり襟がついた大人っぽいデザインのポロシャツ、せっかくの大人っぽさに赤チェックなどが入ってしまうと印象は一気に「子供」になります。中高生なら、まだカワイイものですが、30代以上の男性が着るとどうにも「とっちゃん坊や」感が。もちろん柄にもよるので一口にNGとは言いませんが、避けたほうがいいと思います。これを選ぶのならユニクロの無地ポロシャツの方が100万倍いいでしょう。男性は、無地よりデザインが入ったものを「おしゃれ」だと勘違いしやすいので気をつけましょう。 ▼7分丈のカーゴパンツ ⇒NG度★★★☆☆
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http://item.rakuten.co.jp/freshbox/rothco-8351-8356-8361-8365/

「とっちゃん坊や」感の最たるもの、それが、7分丈の太めカーゴパンツです。そもそも「カーゴパンツ」はスラックスなどと対極に位置するカジュアルアイテムです。スーツなどの「ドレス」は大人っぽさを表現し、「カジュアル」は子供っぽさを表現します。迷彩やカーキなどのカジュアルな色使い、太めなシルエット、ポケットなどは子供っぽくみえるカジュアル要素が満載なのです。そんなただでさえ子供っぽくみえるカーゴパンツを、7分丈にしてしまうと、「とっちゃん坊や」にしかなりません。例えば7分丈のカーゴパンツでも、足にフィットするように細みシルエットだったり、色が艶のある黒であれば、まだ大人っぽさを表現できますが、太めでカーキであった場合、おしゃれの構築が不可能なアイテムになってしまいます。「ポケットがあって便利!」なんて理由からつい選んでしまうと、着こなしが極度に難しくなってしまいます。色やシルエットに配慮しないダサく見えるので要注意です。 ▼白パンツ ⇒NG度★★☆☆☆
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http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/14340500001

「手を出してはいけないNGアイテム」というか、着こなしが難しい要注意アイテムとして挙げておきます。多くの方が認識しているとおり、「白パンツはおしゃれアイテム」ではあるのですが、サマに見せるのが実はとても難しい。というのも人間の目は、「重いものは下に」という重力に慣れています。これはファッションでも同じで、「重く見える色は下に」「軽く見える色は上に」したほうが安定感があるため、おしゃれに見せやすい。「重くみえる色」とはもちろん、黒色などダークトーンのことです。反対に「軽くみえる色」は白色など明るい色です。簡単にいえば「トップスが白で、ボトムスとシューズが黒」という状態が一番安定感がありサマに見せやすいです。白パンツはそういった視覚的な意味で大変合わせが難しく、どんな靴、どんなトップスでも「なんだかサマに見えない」と白パンツの扱いに困っている方も多いと思います。「人間の視覚」というちゃんとした理由があるわけですね。解決策もあるのですが、初心者やコーディネートに自信のない方は、とりあえず避けたほうが無難。「涼しくみえるし、夏は白パンツに挑戦してみるか!」といって気軽に手を出すと、あとで後悔するアイテムです。ご注意を。  いかがでしたでしょうか。いくら猛暑といっても30代以上の男性であれば、多少の大人っぽさ、おしゃれ感は保ちたいもの。じゃあ何を着ればいいの?という方は、私のサイト『現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法 KnowerMag』をまずはご参考に。 <文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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