“レッスルマニア”が狂わせたキッド&スミスの運命――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第58回
フィニッシュは、唐突にやって来た。スミスがバレンタインをコーナーに振った。コーナーのターンバックル上に立っていたキッドの頭とコーナーに向かって走ってきたバレンタインの頭が正面衝突し、キッドはそのままトップロープごしに場外のフロアにダイレクトに転落。バレンタインも後ろ向きに倒れ、大の字になったところをスミスがカバーして速攻の3カウントを奪った。
場外でのたうちまわるキッドはリングに戻ることさえできず、リング内のスミスがレフェリーから2本のチャンピオンベルトを受けとった。いまになってみると、それはキッドの運命を暗示しているような不思議なシーンだった。
実況チームのゴリラ・モンスーンとジーン・オークランドは、キッドのコンディションにふれることなく、シカゴ大会のシメのおしゃべりをはじめた。PPVの番組進行は秒刻みで動いていた。
ニューヨーク州ユニオンデールのナッソー・コロシアムからスタートした“レッスルマニア2”の映像は、シカゴのローズモント・ホライズンを経由し、3つめのロケーションであるロサンゼルスのLAスポーツ・アリーナへと移動した。ロサンゼルスのリングでは“第3部”のオープニング・マッチ、リッキー“ザ・ドラゴン”スティムボート対ハーキュリース・ヘルナンデスのシングルマッチがはじまろうとしていた。(つづく)
https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(1
2
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ