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部署名に「夢」「希望」「理想」「愛」 !?

 意図的に名付けられたもの、偶然そうなってしまったもの、世の中には変わった名前の部署が多数ある。今回は、そんな珍名部署の数々を紹介するとともに、それらが持っている、思わぬ“効果”も紹介したい。彼らはなぜ珍名部署をつくったのか……その謎が今、明らかになる!

◆「明確な意思を持った珍名部署」編
珍名部署は売り上げに繋がる!


 世間に変わった名前の部署は数あれど、明確な意思を持って名付けられた珍名部署はそう多くない。

 その筆頭と思われるのが、「閃光部」「ギブ&ギ部」などを擁する、神奈川県のIT企業、面白法人カヤックだ。

「弊社では、総務部や人事部などを総合した部署を『ギブ&ギ部』、Flashを制作する部署を『閃光部』としています。そのほか、リアル店舗を運営する『起立部』、広報がいる『演出部』、デザイナーがいる『意匠部』などがあります。基本は漢字二文字ですね」(同社社長・柳澤大輔氏)

 ちなみに、部署の命名は社長ではなく、すべて部員が会議の結果で決めるんだそうだ。それにしても、なぜこんな奇抜なネーミングを?

「例えば、『広報部』と命名してしまうと、その部署の人間は『広報だけしてればいいんだ』と思ってしまうじゃないですか。そんな風に、仕事に制限を設けるのはもったいないですよね。だから、『演出部』にしたんです。これだと、仕事に幅が出ますよね。ほかの部署も一緒です」(同)

 なんと、珍名部署にそんな効果があったとは……確かに、部署名はその人の思考も制限するからなぁ。

「ただし、自分たちで決めた名前だからって、愛着を持っちゃって、異動をイヤがる人もいるんですけどね(笑)」(同)

 まあ、そこらへんはささやかな弊害といったところだろう。

 ほかにもまだある。

 例えば、「夢」「希望」「理想」「愛」という言葉をそのまま部署名にした会社だ。その会社は岐阜県にある機械加工会社であるダイニチ。部署名からは仕事内容が想像できないが、いったいどういった部署なのだろうか。

「つけた当初は『愛→アイ→Inner(インナー)→内部→ドリルなどの機械を扱う部署』と、名前と仕事を関連づけていたんです。でも、設立当初から現在まで弊社で扱う機械や仕事内容が変わってきたこともあり、部署の名前と仕事内容を関連付けるのが難しくなってしまって。なので、現在では『この機械はこの部署が担当』というよりは、振り分けられた仕事を共同でやる『班』のような位置づけになっています」(同社社長・下村尚之氏)

 仕事内容ともほぼ関わりがないのに、なぜ名前を変更しないのだろう。

「『前向きな部署名にしたら社員が楽しく働いてくれるのでは』と思って。実際、社員たちも非常に明るい気持ちで働いていると思います」(同)

 なるほど、確かに一度は一緒に働いてみたくなる部署である。

 また、女性用下着会社として有名な東京都のピーチ・ジョンでは、社長室なら「桃組 社長室」、店舗営業部なら「すみれ組 店舗営業部」と各部署名の前に花の名前がつけられている。製品だけでなく部署名まで女道を貫くそのこだわりっぷりは、まさにビジネス界の宝塚といったところだ。

 さらに、岡山県の機械製造販売会社の三陽機器では総務部は「創夢部」、製造部は「精造部」と呼ばれている。前者は「社員の夢作りのために仕事をする」、後者は「より精密なものを精魂込めて作る」という意味がある。

 一見すると、ただのお遊びのような珍名部署だが、きちんと魂をこめて命名すればきちんと売り上げに繋がる。経営者の皆様、ぜひお試しあれ!

― 我が社の[珍名部署]図鑑【1】 ―

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