“サマースラム”ホーガンVSサベージ続編――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第92回
完全ヒール路線に方向転換したサベージは、そのニックネームを“マッチョマン”から“マッチョキング”にマイナーチェンジし、ホーガンとはあえて一線を画すポジションでヒール・サイドの主役をまかされることになる。
この日のもうひとつの注目カードでは、アルティメット・ウォリアーが“ラビッシング”リック・ルードを下し、同年4月の“レッスルマニア5”でルードに奪われたインターコンチネンタル王座を4カ月ぶりに奪回した。
ウォリアーは、前年8月の“サマースラム”第1回大会でホンキートンク・マンからIC王座を奪いトップグループに昇格。その後はビンスとWWE首脳部が綿密にデザインした“隔離政策”により純粋培養型のスーパースターとしての道を歩みはじめていた。
当時の記録を調べてみると、ウォリアーは“レッスルマニア5”前後から“サマースラム89”までの4カ月間、ルードとのシングルマッチだけを機械的に消化していた。この試合を全米サーキットの定番カードとしてリピートしつづけることで、WWEはウォリアーの“大関”としての番付を観客の潜在意識に訴えかけた。
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